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武田信玄と勝頼 文書にみる戦国大名の実像 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2007/03/20 |
JAN | 9784004310655 |
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武田信玄と勝頼
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戦国大名の武田信玄と勝頼が出した書状から実像に迫る歴史書である。歴史ドラマを描くことよりも、古文書の読み方に力点を置いている。NHK大河ドラマ『どうする家康』の復習になる。 武田信玄は「渡唐天神像」の絵を描いている。これは天神菅原道真の姿を中国風に描いた肖像画である。道真は遣唐...
戦国大名の武田信玄と勝頼が出した書状から実像に迫る歴史書である。歴史ドラマを描くことよりも、古文書の読み方に力点を置いている。NHK大河ドラマ『どうする家康』の復習になる。 武田信玄は「渡唐天神像」の絵を描いている。これは天神菅原道真の姿を中国風に描いた肖像画である。道真は遣唐使を廃止して国風文化を促進した人物と位置付けられがちであるが、中国文化を軽視した人物ではない。むしろ中国文化に馴染んでいたからこそ、わざわざ遣唐使を派遣するまでもないという結論になった。中国風の姿で描かれることは道真の理解に合っている。 道真は冤罪で滅ぼされた人物である。道真の信仰には冤罪の悲劇への同情や怒りへの共感が込められている。信玄はどうだっただろうか。信玄は今川氏との同盟を破棄して、駿河に侵攻した。これは大義のない侵略と批判される(火坂雅志『天下 家康伝』)。 これに対して『武田信玄と勝頼』では今川氏真が上杉謙信と結ぶ背信行為が先にあり、それの反応とする。今川氏真への怒りが動機であり、駿河併合以上に氏真の身柄を拘束することを優先していた。それ故に家康が氏真と和睦して氏真の北条領への退去を認めたことは怒りをもたらした。 一方で信玄は織田信長や徳川家康と同盟関係にあった。それも目の前の今川を滅ぼすための一時的な同盟というよりも、越後の上杉、関東の北条と対立を抱えている中での重要な同盟関係であった。信長が信玄を恐れたという以上に信玄にとって切実な同盟であった。ところが、信玄は、その同盟を反故にし、将軍・足利義昭の信長討伐令の呼びかけに応じて進軍した。これは信長や家康から見れば大きな背信である。 後に武田勝頼は長篠の合戦の敗北後に信長と和平共存の道を探ろうとした。しかし、信長は一蹴し、武田家を滅ぼすことしか考えなかった。そこには信玄の同盟破棄の不信感があった。勝頼には信玄の遺産を食いつぶした無能という評があるが、逆に信玄の負債を被った不幸という見方も成り立つ。
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数年前に読んだ本の再読。武田氏の文書を例に、文書の読み方や、それに基づき歴史を叙述している。古文書の崩字は達筆過ぎて全く読めないので、少しは読めるようになりたいのが目標。
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2007年刊。著者は東京大学史料編纂所助教授。◆武田信玄・勝頼の古文書・書簡などを題材に、戦国時代の文書の読み方、解読の手法を解説しつつ、補足的に信玄・勝頼の政策について、著者の反通説的見解を一部開陳するもの。◇本書では、偽書分析、古文書読解術が興味深い。また、元亀2年には信玄は三河攻略はしていない点、信玄死後相当経過して、勝頼は上杉景勝と呼応するように信長に和議を申し出ている点(ただし、勝頼と景勝が一致して行動できているわけではないし、信長には一蹴されている。)は新奇か。
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