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アジア/日本 思考のフロンティア
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2006/09/28 |
JAN | 9784000270120 |
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商品レビュー
4.6
5件のお客様レビュー
明治以来の日本と「アジア」との「思想的連鎖」を粘り強く描き出している。他者を認め、助ける、そのことが実は他者との交流を阻むことになる、という他者との交流の難しさについて、普遍的な問題としても読める本。
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日本の「アジア主義」の理念を逆手に取りながら、その帝国主義に自省を促す孫文の「大アジア主義」講演の精緻な読解から説き起こして、明治初期から冷戦後に至るまでのアジアと日本の関係に付きまとう、侵略と連帯の両義性を、福沢諭吉の脱亜論から詳細に辿っていく議論は、非常に示唆に富む。近代の...
日本の「アジア主義」の理念を逆手に取りながら、その帝国主義に自省を促す孫文の「大アジア主義」講演の精緻な読解から説き起こして、明治初期から冷戦後に至るまでのアジアと日本の関係に付きまとう、侵略と連帯の両義性を、福沢諭吉の脱亜論から詳細に辿っていく議論は、非常に示唆に富む。近代の衝撃を受け、急速な近代化の道を歩んだた日本が、「文明化」を掲げ、連帯の姿勢を装いながら、結局は植民地侵略を正当化してしまう論理──そこに安重根は「東洋平和」に対する裏切りを見て取ったのだ──が、ネットワーク的に波及しながら、帝国日本の「アジア主義」を下支えしてしまうという構造は、被支配者にまで浸透していく。著者はそのことを見届けたうえで、こうした帝国の構造に対する内在的な批判としての「帝国改造論」、「文明」に対抗する吉野作造らの「文化」の論理、昭和初期の批判的知識人による「東亜協同体論」を、それに対する朝鮮半島の呼応、そこから発する独立の論理なども視野に入れながら読み解いていく。そのうえで、こうした批判的知識人の言論の蹉跌と弾圧が、戦後の新たな植民地政策の波及に結びついているさまを描き出す議論は、非常に鮮やかだ。文献紹介も充実しており、幾重にも傷が刻まれ、引き裂かれ、それとともに矛盾と葛藤を抱え込んできた歴史の現場としてのアジアを見つめ直す足がかりとなる一書と言える。
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講義をフォローする形での参考書として。通年にわたって受講生するにおいての指南書。そこからさらに膨らませて論じていくことができるか、それがレポート課題を進めていく上でのポイントとなりそう。
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