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ミノタウロス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 2007/05/12 |
JAN | 9784062140584 |
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ミノタウロス
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商品レビュー
3.8
41件のお客様レビュー
ミノタウロスという作品名が物語る通りの、生立ちによって人生が決定されてしまった少年の話です。ミノタウロスのような怪物の話です。そして、時代に、国に、翻弄される人間たちの話です。とにかく切なくてやり切れない話です。 戦争は自分でどうにかできるものではなく、生きるために人間は何だっ...
ミノタウロスという作品名が物語る通りの、生立ちによって人生が決定されてしまった少年の話です。ミノタウロスのような怪物の話です。そして、時代に、国に、翻弄される人間たちの話です。とにかく切なくてやり切れない話です。 戦争は自分でどうにかできるものではなく、生きるために人間は何だってするのです。革命であれ何であれ、戦いは良いことなんてひとつもないです。 最後に殺戮を終えた主人公の少年がこれからの自分を想像する部分があって、生い立ちからあれこれを経てそこに行き着くという構図でこの作品は完成するのだと分かりました。それこそが最も伝えたいことなのではないかと思いました。残念なことに少年の夢は叶うことなく小説は終わってしまうけど。 “ 帰る道々、ぼくは想像してみた。 一人なら、逃げ隠れするのも生き残るのもずっと簡単だ。だから取り敢えずこの冬は、無人を装った屋敷で越す。その後、春が来たら、ぼくは村娘と母親の畑を手伝ってやる。母親は嫌な顔をするかもしれないが、男手は有り難い筈だ。幸い、土地は幾らでもある。主たちは消え失せた。小さな小屋の前の小さな畑を耕して、ぼくはその畑から万事を始める。娘を女房にするだろう。子供だってごろごろ生ませるだろう。何人かがごろつきやあばずれになって家を離れても、何人かは地べたにしがみ付いて家に残るだろう。畑は広がり、うまくすれば作男を何人か雇って耕作させるくらいにはなるだろう。兵隊はやって来ては去って行くだろうが、何、ああいう連中のことは判っている。彼らは過ぎ去っていくものであり、ぼくたちはただ根刮ぎにされないように踏ん張って、頭を垂れていればいいのだ。”
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3年前位に贈呈されて読了。佐藤亜紀さんの受賞作としては3冊目なので期待して読んだら人外の物語。強奪、強姦、殺戮を繰り返す若者が死ぬまでの構成。彼等をミノタウルスだということなのだろう。
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「それでも、ぼくたちはまるで人間のような顔をして生きてきた。」と悟る場面が哀しい。人間っていつの時代も本質は変わらず同じようなことを繰り返してる、現在進行形で。
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