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心の形而上学 ジェイムズ哲学とその可能性
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 創文社/創文社 |
発売年月日 | 2007/02/28 |
JAN | 9784423171431 |
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心の形而上学
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心をめぐるさまざまな問題について考察をめぐらせたW・ジェイムズの思想を検討し、その意義と可能性を論じている。約500ページの大部の本であり、17の章から構成されているのだが、どの章も論旨が似通っているためか、やや冗長な印象を受ける。 本書の前半で著者は、現代の心の哲学の議論を紹...
心をめぐるさまざまな問題について考察をめぐらせたW・ジェイムズの思想を検討し、その意義と可能性を論じている。約500ページの大部の本であり、17の章から構成されているのだが、どの章も論旨が似通っているためか、やや冗長な印象を受ける。 本書の前半で著者は、現代の心の哲学の議論を紹介しながら、それらの問題圏の手前に位置する「経験」にジェイムズが着目していたことを指摘している。その上で、ジェイムズの立場に立つことで、心をめぐって展開されている現代のさまざまな思想が前提している枠組みを問いなおそうとしている。 ジェイムズの『心理学講義』は、直接的な心的経験を「意識の流れ」として把握している。こうした発想は、後年に出版された『根本的経験論』にも引き継がれている。そこでジェイムズは、いまだ心理学的な観点から意識のありようとして把握されていた「意識の流れ」に関する議論を存在論的な観点から把握しなおし、「純粋経験」がもっとも根源的だという立場を採るようになった。 こうした主張を展開するジェイムズのまなざしは、現代の心の哲学で論じられている心身問題や「私」をめぐる問題を成り立たせている論理空間の、さらに先の領域に届いていたのではないかと著者はいう。ジェイムズのいう「経験」とは、もはやその起源を問うことのできず、その問いを発する主体も存在してイないような、まさに根源的な領域を意味している。 本書の後半では主に『宗教的経験の諸相』を手がかりにして、ジェイムズが宗教的経験のありようをどのように解き明かしていたのかを読み解いている。ジェイムズの考える「経験」は、それを主題化する概念的な枠組みさえもいまだ成立していない、もっとも根源的な領域である。そこでは、「無」と「存在の充実」との区別さえも成り立たない。著者は、トルストイの宗教的経験や仏教の「空」の概念などに示されている宗教的境位を例に取り上げながら、ジェイムズの「経験」概念の根源的性格を解き明かそうと試みている。
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