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成長信仰の桎梏 消費重視のマクロ経済学
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成長信仰の桎梏 消費重視のマクロ経済学

齊藤誠【著】

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成長信仰の桎梏 消費重視のマクロ経済学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勁草書房/勁草書房
発売年月日 2006/12/15
JAN 9784326550548

成長信仰の桎梏

¥220

商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2014/03/30

 日本のマクロ経済政策について、「GDPではなく、消費をベースに考えるべき」という提言……だそうな。これからは「生産」ではなく、「消費」の面から経済政策の妥当性を考えよというのは、お題目としてはなかなか魅力的だが……それをどう実現するのかというのがなぁ。議論の枠組が新古典派ベース...

 日本のマクロ経済政策について、「GDPではなく、消費をベースに考えるべき」という提言……だそうな。これからは「生産」ではなく、「消費」の面から経済政策の妥当性を考えよというのは、お題目としてはなかなか魅力的だが……それをどう実現するのかというのがなぁ。議論の枠組が新古典派ベースなので、「価格が無限に弾力的なら、つくったものはすべて需要される」「摩擦的失業以外の原因による非自発的失業は存在しない」というモデルを立ててるわけじゃん。それで「消費を大事に」と言われてもねぇというのが2回読んでの素直な感想。はしがきにあるたとえを使うなら、デフレが収束に向かって、ようやくバケツの穴がふさがろうかというときに、「つべこべいわずにひっくり返せ」と言ってるような、そんな本。  デフレ下の日本の経済政策が「(GDP)成長至上主義」だったと批判。低金利政策は「設備投資」を刺激するが、消費は刺激しない。低金利政策を長くつづければ生産性の低いプロジェクトが積み上がって、結果としてバブルを招く。一刻も早く金利を引き上げて、投資よりも消費を重視した政策に切り替えよ、というのが主旨。  なんつーか、「シバキ主義」の見本のような論理展開だよなー。そんなにプロジェクト(企業と言い換えてもOKでしょ)をつぶして、不況から脱出できますか。まさに「完全雇用」を仮定する学問だからこそ、こんなことが言えるんだろうなぁと思った。やっぱ、オレは新古典派の枠組みで不況政策をどーこー言われても、ぴんと来んわ。 「通貨が流通する環境では、名目金利はゼロを下限としてマイナスにならないはずである。仮に名目金利がマイナスになれば、負の金利で運用するよりも単に貨幣を保有するほうが有利となるからである。理論的に絶対に起こりえないと考えられたことが起きたのであるから、日本銀行の量的緩和政策における貨幣供給がいかに度を超していたのかが理解できるだろう」とか書いてあるんだけど。なんか本末転倒というか。「金利をゼロにしてもまだデフレ」という状況が生まれたのは、「金利を下げた日銀のせい」とでも言うつもりか……言うつもりなんだろうなぁ。 あのデフレを経験してなおこの物言いは、どうも「現実とリクツがあわないところは、現実のほうをねじまげる(リクツに合致するところだけを見る)」という主義なのかしらん、と思ってしまう。  収穫としては、反リフレ論者のリクツがわかったところかな? 経済統計としてはまだ日本がデフレから完全に脱出していない(可能性が高い)にもかかわらず、金利を上げたがるのはなぜかとか。円を国際通貨にとか、基軸通貨にとか、だから強い円が必要なんだというリクツはどーいうものなのかとか。  少ない前提からモデルをたてて、ひとつひとつ検証していくとあらこーなりました!みたいな個別のリクツの建て方はおもしろいんだけどねー。そのリクツの通り方がキモチイイと、新古典派な人になるのかなー。でもそれが「供給が需要を創造する」「完全雇用」という前提だと、やっぱオレは聞いてらんない。  大学でちゃんと経済のリクツを学んだ人にはおもしろいかも。オレみたいに山形浩生→クルーグマンで「経済っておもしろいかも」と思った人間には、向きませんわ。

Posted by ブクログ

2013/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新古典派経済学の簡単な理論に基づき、GDP成長率を政策目標とすることの危険性を指摘し、「高水準で安定した消費を享受できるのか」ということを基準にマクロ経済政策を評価するエッセイ。 GDPを政策目標に置き、実質金利をマクロ経済政策によって恣意的に引き下げることは資産価格バブルを生成し、過剰な資本蓄積を導き、劣悪な投資プロジェクトを温存することへとつながる。 そして、資産価格バブルはその崩壊によってしか本質的な解決が図られない。 平易な言葉と、マクロ経済学のロジックを用いて丁寧に日本のマクロ経済政策を語っている良書。

Posted by ブクログ

2012/12/23

マクロ経済政策を考える人に必読。序文にある「IS-LMモデルや、それをモダンな装いにしたニュー・ケインジアン・モデルに基づいてマクロ経済政策を展開していくことの危険性」をゆっくりと読み進めることによって深く理解できるだろう。

Posted by ブクログ

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