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英語を禁止せよ 知られざる戦時下の日本とアメリカ
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ごま書房/ごま書房 |
| 発売年月日 | 2007/05/03 |
| JAN | 9784341083519 |
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英語を禁止せよ
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商品レビュー
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4件のお客様レビュー
感情的に外来語などを追放する様子と、コロナ禍最中のマスク警察が重なって見えました。 やはり戦う相手のことをよく知らないと、不利でしょう。自ら負けを選んだかのようです。 後半の、米軍のやり方はすごいなと思う一方で、その結果たくさんの日本人の命が失われたと思うと、なんともやりきれ...
感情的に外来語などを追放する様子と、コロナ禍最中のマスク警察が重なって見えました。 やはり戦う相手のことをよく知らないと、不利でしょう。自ら負けを選んだかのようです。 後半の、米軍のやり方はすごいなと思う一方で、その結果たくさんの日本人の命が失われたと思うと、なんともやりきれない内容でした。
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とても面白かった。軍部主導で感情的に英語を排斥して言葉の置き換えや芸名、会社名の変更が行われた日本と、日本語の重要さを開戦前から認識して6,000人もの日本語情報部員を育成したアメリカとの対比を様々な例で描写する内容。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」なんて俺でも知ってるのにどう...
とても面白かった。軍部主導で感情的に英語を排斥して言葉の置き換えや芸名、会社名の変更が行われた日本と、日本語の重要さを開戦前から認識して6,000人もの日本語情報部員を育成したアメリカとの対比を様々な例で描写する内容。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」なんて俺でも知ってるのにどうしてそうまで狂騒的になってしまったのか。アメリカって国の成り立ちもこの違いの大きな理由になるんだろな。「日本語は世界一難しいからそのまま暗号となる」って嘯く日本軍上層部と、巧みな日本語で敵軍を突撃させたり射撃中止させたりと翻弄したアメリカ軍の違いが印象的。
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言葉というものは、時代の影響を大きく受けます。”hara-kiri”、”seppuku”などの物騒な語ばかりでなく“bento” や “anime” が英語になったり、大量の英単語が日本語に入ってくるのは、私は好きではありませんが、考えてみれば、この国が平和だからこそでしょう。...
言葉というものは、時代の影響を大きく受けます。”hara-kiri”、”seppuku”などの物騒な語ばかりでなく“bento” や “anime” が英語になったり、大量の英単語が日本語に入ってくるのは、私は好きではありませんが、考えてみれば、この国が平和だからこそでしょう。 今から70数年前の戦争中、愛国心を煽るため、敵国語である英語はもちろん、「英」「欧」など、日本ではないものを連想させる漢字を規制しようという空気が、この国を支配しました。 これを受けて、例えば鉛筆の硬さの表記は、敵の文字を避け、HBは中庸、Hは1硬、Bは1軟と改められました。出版社の「欧文社」は「旺文社」、「東洋英和女学校」は「東洋永和女学校」、「フェリス和英女学校」は「横浜山手女学校」と改名しました。「リプトン紅茶」は「大東亜」になりましたが、こうなると、もはや何の会社かもわかりません。 コスモスを漢字で「秋桜」と書くと風情がありますが、これもその頃の名残です。漫画、アニメで有名な「排球(ハイキュー)」もそうだし、ドレミファソラシドとハニホヘトイロハが並立しているのも背景は同じです。 恐ろしいのは、こうした変更のほとんどは強制によるのではなく、空気を読んで「自主的」に行われたことでしょう。異様な空気に支配されてしまうと、ありえないようなことが「常識」として居座ることになります。 例えば、昭和初期、日米親善のためアメリカから寄贈された「青い目をした眠り人形」に対しての態度。 贈られた当初は大切にされていたものが、日米開戦後の異様な空気の中では正反対の扱いを受けます。 以下は、鯵ケ沢国民学校5年生以上の児童に対して行われたアンケートの結果を、当時の毎日新聞から引用している箇所です。 ・破棄 89名 ・焼いてしまえ 133名 ・送り返せ 44名 ・目につく所において毎日いじめる 31名 ・海へ捨てろ 33名 ・白旗を肩にかけて飾っておく 5名 ・米国のスパイと思って気をつけよ 1名 ひとつ気になったのは、アメリカがあまりに素晴らしく描かれていること、少なくとも、私は読んでいてそういう印象を持ちました。 英語を敵国語として排除した日本と、二世を日本語のプロとして徹底的に鍛え、戦いに役立て勝利したアメリカとを対比させる事情もあったのでしょうが、彼らの活躍の紹介にページが割かれ、2つの国に引き裂かれた当時の二世が、その裏でどれほどの苦難を経験させられたかが伝わって来ません。 それが本書の趣旨ではないのですから仕方がない面はありますが、そこにもう少し光をあてないと、結果としてアメリカ礼賛本のような読まれ方をしてしまう可能性がある気がしました。 「真珠湾と日系人」(西山千)「栄光なき凱旋」(新保裕一)「二つの祖国」(山崎豊子)などと併わせて読むことをお勧めします。 それでも、国全体が異様な空気に染まっていく様子がよくわかる良書だと思います。メディア、検察、裁判所とも、政権の顔色をうかがい、空気を読んで「自主的に」行動し、巨悪や巨大な不正を見逃していく日本の現状と当時の様子が重なり、私は、同じことをまた繰り返そうとしているこの国への警鐘として読みました。
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