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加納朋子【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/文藝春秋
発売年月日 2006/11/29
JAN 9784163255101

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商品レビュー

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123件のお客様レビュー

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2022/09/23

ブサカワ(?)猫の表紙にホイホイされて手に取った本書。 独立した八話が収録されている短編集です。 どの話も、日常の中の非日常が絶妙に描かれていて、それぞれの味わいが楽しめます。 ほっこりな雰囲気の中にも、人の心の闇だったり秘めた哀しみにも触れられていて、それが独特な読み心地につ...

ブサカワ(?)猫の表紙にホイホイされて手に取った本書。 独立した八話が収録されている短編集です。 どの話も、日常の中の非日常が絶妙に描かれていて、それぞれの味わいが楽しめます。 ほっこりな雰囲気の中にも、人の心の闇だったり秘めた哀しみにも触れられていて、それが独特な読み心地につながっているのかもしれないですね。 個人的には表題作の第一話「モノレールねこ」、第八話「バルタン最期の日」が好きでした。 前者は猫、後者はザリガニが登場するのですが、二話ともに切ない展開を経つつ、心温まるオチへの持って行き方が良かったです。 因みに、第三話「マイ・フーリッシュ・アンクル」に登場するダメ叔父と、第七話「ポトスの樹」に登場するダメ親父が“キャラ被りか?”と思う程両者甲乙つけがたいクズっぷりで、まぁ彼らにも彼らなりの事情があるのだよ…的なオチではあったのですが、なんだかそれで許されちゃうのっていいよなぁ・・と、ちょっと羨ましく思った次第です。

Posted by ブクログ

2022/02/08

表題作と、「ちょうちょう」以外は、家族をテーマにした短篇集で、一見、問題があるような人にしても、かつて過去に負った傷であったり、心の奥に仕舞い込んだ思いがあったりと、一筋縄ではいかない、人間の奥深さを丁寧に描いてあるところに、加納さんの温かな眼差しを感じました。 特に、「パズル...

表題作と、「ちょうちょう」以外は、家族をテーマにした短篇集で、一見、問題があるような人にしても、かつて過去に負った傷であったり、心の奥に仕舞い込んだ思いがあったりと、一筋縄ではいかない、人間の奥深さを丁寧に描いてあるところに、加納さんの温かな眼差しを感じました。 特に、「パズルの中の犬」と「ポトスの樹」は印象的で、「恐れとは信用しないこと」という言葉に、はっとさせられるものがありました。 また、「シンデレラのお城」や、「セイムタイム・ネクストイヤー」の、現実と虚構が入り乱れるような、当事者のみが知る心中の物語には、やや引いてしまう感覚もあったが、大事なのは、当人たちがそれで幸せだと実感するかどうかだと思い、その幸せを当人だけでなく、周りの人たちが共に築いていく様には、幸せの在り方を考えさせるものがありました。 それから、異色だったのが、「バルタン最期の日」で、ザリガニを擬人化させて、とある家族を見守る物語なのですが、バルタンのネーミングセンスや、母親のダジャレが飛び交う、加納さん特有のユーモラスな雰囲気が漂う中、実はその真意が、この短篇集で最も胸を打つものがあり、人って、こんな状況でも周りの人たちを思いやることができるんだなと、感動を覚えましたし、私の人生で初めてザリガニのことを愛しく思いました。

Posted by ブクログ

2021/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集。久しぶりに加納さんの書籍を手にしました。 どの作品もあたたかいのですが、「死」が描かれています。人間、生きているとあたりまえなんですが。どうも切り離して生活してしまう。みんな明るく楽しいだけの生活じゃないんだなあ。どこか夕暮れがあって闇があって。日々を繰り返していくんだよなと読後感じました。 モノレールねこ…デブ猫をとおしてやりとりをします。ねこの死でやりとりは終わってしまうけれど…。ねこにプレゼントをもらって気分に。さて、どうなるのかな。 パズルの中の犬。待つことが嫌いな私。待つことの寂しさを埋めるためにパズルをする。でも最後はあたたかな「戌の日」を待つ楽しみが。母の苦労や思いにあらためて気づく主人公。 マイ・フーリッシュ・アンクル 叔父さんと遺された私。たった一人の家族として、叔父なりに主人公を送り出してくれる。 シンデレラのお城 偽装結婚と幽霊の婚約者との奇妙な3人生活。そして婚約者は子供をうむ旦那さんを事故で失う。一人ぼっちになった私が義母とひとりぼっちにはならない選択をする。 セイムタイム・ネクストイヤー このお話が好きかな。娘を亡くした私。自殺を図ろうとしたホテルで…。ホテルは幽霊に出会えるホテル。年に一度だけ。だんなさんはどんな思いですすめてくれたのか、想像すると悲しくなる。余命半年を宣告された私。ホテルマンは来年の予約をすすめ待っていると。希望がありますように。 ちょうちょう…ラーメン屋。口コミのこわさ。造花の祝花のおかけで、ひと踏ん張りできそう。 「永遠に枯れませんよ」 ポトスの樹…クソ親父をもった主人公。クソ親父が孫のために親になる。 バルタン最期の日…ザリガニ視点の話。俺たちザリガニは、たとえ命よりも大切なこの両のハサミを失ったとしても、見事に再生させることができる……。脱皮することによって。人間もそうだといいのに、と思う。傷ついた心とか、無くしかけた自信とか。そいううものが、魔法みたいに簡単に癒えてしまえばいいのに。 どの作品もさみしさとあたたかな空気がありました。

Posted by ブクログ

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