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アナーキスト人類学のための断章
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 以文社/以文社 |
発売年月日 | 2006/11/01 |
JAN | 9784753102518 |
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
この本を読むと、59歳というあまりに若すぎる著者の早逝が心から惜しまれる。 彼はなぜ人類学者になったのか。 この本の冒頭で、著者は言う。 グローバル・ジャスティス・ムーブメントに参加することによって初めて、人類学が人間の可能性の宝庫として意義があることを理解した、と。 そして終...
この本を読むと、59歳というあまりに若すぎる著者の早逝が心から惜しまれる。 彼はなぜ人類学者になったのか。 この本の冒頭で、著者は言う。 グローバル・ジャスティス・ムーブメントに参加することによって初めて、人類学が人間の可能性の宝庫として意義があることを理解した、と。 そして終章でこう言う。 人類学者たちは結局、現に存在する国家なき社会について何事かを知っている唯一の学者集団である。 そしてまた、 たとえばそれ(人類学)は人類というものの総体を一般化しうる唯一の学問なのだ、とも。 この書物の中には、骨の髄からアナキストであり、自由と自律を愛してやまない著者の、真にラディカルで、根源的な思考が展開され、私たちが絡めとられてきた常識をいくつも覆す知的な刺激に満ちている。 学問を、ひとびとの幸福のための実践的、倫理的言説の源であらしめようと終生闘い続けた男の、万人に向けられて語られた温かい語り口のマニフェスト。
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原著2004年刊。 人類学者デヴィッド・グレーバーは2020年に邦訳の出版された『ブルジッド・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(2018年)が日本でも有名なのかもしれない。そちらは私も未読である。 本書は、私がこれまであまりまともに接することのなかった「アナーキズム」に...
原著2004年刊。 人類学者デヴィッド・グレーバーは2020年に邦訳の出版された『ブルジッド・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(2018年)が日本でも有名なのかもしれない。そちらは私も未読である。 本書は、私がこれまであまりまともに接することのなかった「アナーキズム」について詳しく書かれていて興味深かった。 確かに、暴力を独占する形で屹立する「国家」権力から逃れるためには、「国家」という幻想の概念を解体し「法」もゆるやかなものに変革しなければどうしようもない。思うに、20世紀以降の我々は、「国家」という抑圧性に満ちた強迫観念に疎外されすぎているし、むしろそんな「領土閉鎖」を突破してしまったほうが、ほんとうに自由な生き方に踏め込めるだろうという気はする。 本書が示すように、確かに、人類学的思考は、巨大組織の上から下への暴力的支配からは逸脱するような文化を発見する喜びがある。が、しばしば平和的で「アナーキー」ば集団が未開社会に可能だとしたら、やはりそれは「少人数集団」だからであることは間違いない。 私の考えでは、だから、文明国の人口を100分の1か1000分の1か、あるいはもっと少なく激減させなければ、ゆるやかなアナーキー文化は到来するとは思えない。あまりにも無数に群れすぎて、規律やら仕掛けやらが増殖しすぎて、にっちもさっちも行かなくなっているのが現代の社会だろうが、ここから抜け道はあるのか? 本書はそんな根本的な問いをあらためて呼び起こしてくれるような、ヒントに溢れた書物だった。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1746367050979971105?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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