現代の形而上学 新古典派経済学の批判

小澤勝徳【著】

• 販売会社／発売会社: 新生出版/ディーディーエヌ
• 発売年月日: 2006/12/05
• JAN: 9784861281488

商品レビュー

2011/03/05

シカゴ学派のケインズ批判以来の新古典派経済学は、新自由主義の波にのり、他愛なくもばかばかしい合理的期待形成とかリアルビジネスサイクル理論などの珍説を展開しています。こんなおかしな経済学なのに、多くの経済学者はそれを批判する能力がないようです。あまつさえマクロ経済学のミクロ的基礎づけなどと唱えては、ケインズ派すら落とし穴に落ちていく。
この本を読むと、新古典派ミクロ経済学の論理がもともと虚構であり、今日の情けない成果はそれにふさわしく、虚構の論理での訓練が無批判無能力な経済学者を生み出しているのだ、と実感しました。ミクロもマクロも、いまや数学の応用問題として、公務員試験の受験生のためにのみ存在意義があるようです。ビシッと批判してほしいと思っていました。貴重な一冊です。著者はマルクス経済学のようですが、マルクスなど分からなくても、「ミクロ経済学って何の役に立つのだろうか？」と思っている人は読んでみるべしです。