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充たされざる者 ハヤカワepi文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房/早川書房 |
発売年月日 | 2007/05/25 |
JAN | 9784151200410 |
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充たされざる者
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充たされざる者
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商品レビュー
3.8
55件のお客様レビュー
退屈なのに読み進めたくなる作品。今まで体験したことのない読書体験だった。 読み切った後でやっと、全てのシーンに、ああ、なるほど、と納得できた。 登場人物全員がどこかおかしさを抱えていて、読者はそれに翻弄される。そこが面白いと感じられる作品でした。
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成し遂げた結果よりも、成し遂げる過程で刻まれる記憶を慈しむ。 幸福はそこにあるのではないか。 そして周りの皆の幸福があってこそ自らの幸福も有り得るのではないか。 このようなテーマを感じとり、さらに最後、鉄道に乗って移動する情景と絡めて、少々勝手だが『銀河鉄道の夜』を想起した。 ...
成し遂げた結果よりも、成し遂げる過程で刻まれる記憶を慈しむ。 幸福はそこにあるのではないか。 そして周りの皆の幸福があってこそ自らの幸福も有り得るのではないか。 このようなテーマを感じとり、さらに最後、鉄道に乗って移動する情景と絡めて、少々勝手だが『銀河鉄道の夜』を想起した。 音楽家としての名声と、代償として失った家族との生活、愛する者からの信頼。 ほんとうは、後者がなによりも大切であった。 町おこしのイベントとしてピアノ演奏に来たはずが、ライダーは周囲の者の生き様を見せられるばかりで翻弄される。だがそれらの出来事はライダー自身の過去を投影し、かれは意識の深淵に潜り込む。これでよかったのか、よいはずだ、まちがっているのか、そうではないのか……。演奏会場にたどり着こうとしてさまよう町は意識そのもの。 人生の歩みの中頃に真に大切なものに気づき始めてさめざめと泣く、そんな暗さは、夢から引き戻されて目覚めたころに味わう侘しさと色合いが似ている。 訳者は、カズオ・イシグロは薄明、薄暮の作家だとコメントしているが、それは言い得て妙だ。 ひとつを追い求めれば片方が離れていく、そんなもどかしさが作品全体を覆っている。 この長さがあってこそ、深い感動を得られた。 すぐにはわからないのが、生きるということであるから。そして挙句の果てに、わからないものだから。
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どこまでも続く混沌とした世界。希望を求めながら、信念を抱きながらも、どうしようもない世界に身を置く人たちの声が響き合う。 そんな物語(物語ではないかもしれない)を900ページにわたって総合的に立ち上げている。良い意味で退屈。読み続けるのに苦労したが、唯一無二の読書体験だった。 柴...
どこまでも続く混沌とした世界。希望を求めながら、信念を抱きながらも、どうしようもない世界に身を置く人たちの声が響き合う。 そんな物語(物語ではないかもしれない)を900ページにわたって総合的に立ち上げている。良い意味で退屈。読み続けるのに苦労したが、唯一無二の読書体験だった。 柴田元幸さんがイシグロベストに挙げるのも納得の一作。
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