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日本の失敗 「第二の開国」と「大東亜戦争」 岩波現代文庫 社会134
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2006/06/16 |
JAN | 9784006031343 |
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
なぜ日本が対米戦争に踏み切り、そして完敗したのかを知りたくて、日本の「失敗」をテーマとする本を探していたところ出会った一冊(松岡正剛の千夜千冊から)。結果的に、とんでもない傑作に出会った。 日本が中国に進出し、韓国を併合し(1910年)、対支二十一か条の要求(1915年)を行なっ...
なぜ日本が対米戦争に踏み切り、そして完敗したのかを知りたくて、日本の「失敗」をテーマとする本を探していたところ出会った一冊(松岡正剛の千夜千冊から)。結果的に、とんでもない傑作に出会った。 日本が中国に進出し、韓国を併合し(1910年)、対支二十一か条の要求(1915年)を行なった辺りからの、様々な知識人の言論を一つ一つ丁寧に拾い上げ、平易な言葉で解説してゆく。そうすることで、当時の日本の政治や評論、文学、メディア等がどのような思想を背景に言葉を発し、軍人や世論に影響を与え、戦争が進められていったのかを解き明かす。 戦争の歴史というよりも、思想史であり、思想が国を形作ったことを証明するような非常に説得力のある論考だと思う。著名な言論人が多く登場し、そうした人々の考え方に浅くではあるが広く触れるきっかけとしても優れた本だと思う。 松岡正剛が「松本健一が書いた本は、長らくぼくが信用して近現代史を読むときに座右にしてきたものである。」と言ったことの意味が分かる思いがしている。
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 日本はなぜ無謀な戦争に突入し敗れたのか―ヨーロッパ諸国から同時期に文明国と認められた日米宿命の対立の根底には、中国問題があった。 その端緒「対支二十一ヵ条の要求」から敗戦に至る軍人、政治家、思想家、ジャーナリストたちの言動を検討し、誤りを摘出する。 多彩な登場人物が織り成す壮大な思想のドラマは論争を呼ぶ。 [ 目次 ] 日米の仮想敵国 発端としての「対支二十一ヵ条」 アジアの帝国主義 「日米衝突」のシナリオ 満州事変というファシズム 世界戦争のプロローグ 「侵略」という認識 統帥権干犯の思想 軍部の独裁化をめぐって 精神的鎖国としての国体イデオロギー 日本の「世界史」 大東亜戦争の「開戦の詔勅」をめぐって 時代思潮としての「死の哲学」 外の力 戦犯とは何だったのか [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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統帥権干犯や戦争犯罪など昭和史のキーワードごとに章に分かれていて興味のあるところを読み返しやすい。 政党政治がロンドン海軍軍縮条約締結の際に統帥権干犯問題で自滅した様子が詳しく描かれているが、著者の評が政党に辛らつすぎるのかそれとも適切な評なのか自分には判断しかねるところであった...
統帥権干犯や戦争犯罪など昭和史のキーワードごとに章に分かれていて興味のあるところを読み返しやすい。 政党政治がロンドン海軍軍縮条約締結の際に統帥権干犯問題で自滅した様子が詳しく描かれているが、著者の評が政党に辛らつすぎるのかそれとも適切な評なのか自分には判断しかねるところであった。しかし昨今の政治を見ているかぎり、著者の評を肯定する要素しか浮かび上がらないのもまた事実である。
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