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白昼の闇 海外文学セレクション
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白昼の闇 海外文学セレクション

クリストファー・ファウラー(著者), 高橋恭美子(訳者), 豊田成子(訳者), 山田久美子(訳者)

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白昼の闇 海外文学セレクション

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社/東京創元社
発売年月日 2006/06/20
JAN 9784488016456

白昼の闇

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2023/08/02
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都市が舞台となったホラー短篇集。ニューヨークで急遽一泊をする破目になった英国人ノリスの散々な一夜が、それぞれ短いエピソードで挿まれ、彼の思考や遭遇する事態が次の短編の内容をおおまかに提示する構成となっている。 ・短編ではなく著者による序文「白昼の闇」 ・ビルの地下駐車場。出口を示す案内の矢印は常に下りのスロープを示していた(「左の道」) ・タクシー運転手の様子に不穏なものを覚える若い女性。都市伝説ネタでも定番風な「もうまもなく」 ・ゲームセンターのシューティングゲームでハイスコアを出すことに取り憑かれた少年(「スカイ・マスター」) ・享楽的な毎日に耽る男に起きた出来事(「ナイトクラブ」) ・自宅を荒らした泥棒が落としていった身分証。泥棒の自宅に入り込んだ男が見たものは(「虎の牙」) ・高校卒業直前、街へ繰り出した少年2人の顛末(「友が消えた夜」) ・独居の老婦人を狙った詐欺師は、彼女に「また戦争が始まる」と騙る(「彼女の至福のひととき」) ・滞在したホテルにしたたか酔って戻った男は、存在しない13階フロアを目にする。定番“存在しない13階”ネタの変奏とも言える「浄化」 ・深夜前、椅子に腰かけTVショーを見ている1組の“身じろぎしない”夫婦(「なにかがおかしい」) ・大渋滞の中突然男が自殺を図る現場を目撃した精神科医のモリッシー。上司は同様の事例と統計からその原因を探ろうとするが(「むなしさが募るとき」)以上全10編。 全体的には“そのようにならざるを得ないだろう”と読者に予想させる暗示的な結末にとどまっているものが多い。狂気や妄想が基になっている作品が大半だが、超自然的要素が含まれるもの、それらが混じったようなものもあってバリエーションは豊か。 “シティ・リンク”と題された挿話がノリスのパート。ロンドンで設計コンサルタントとして働くノリスはアメリカに出張でやって来るが、帰途乗継便の遅れからNYで足止めを喰らう。まさに“Englishman in New York”だがあの曲のようには行かず、旅慣れぬノリスは次々トラブルに見舞われる。教えられたホテルは見つからず、道を尋ねても皆素通り、タクシーにボッタくられた上に場違いなところで降ろされ、さらに……。この辺りはアメリカ嫌いな著者(イギリス人)による皮肉全開ということか。 また、ノリスのパートが次の短編の内容を提示するという構成が本書の大きな特徴で、例えば地下駐車場の入口に不安を覚える(#1)の後に「左の道」、ナイトクラブで道を尋ねるパート(#4)の後に「ナイトクラブ」、ノリスがホテルを苦手に思う理由に触れた(#8)の次が「浄化」というように、各話とリンクしている。 ノリスのパートを枠物語として考えることもできるし構成のアイデアは面白いとも思う……が、如何せんこのパートの話自体のテンポが悪く、試み自体が成功していたかどうかは……う~ん。

Posted by ブクログ

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