罠 2006.5.17

「八・一三裁判」記録再刊委員会【著】

• 販売会社／発売会社: 晩聲社/晩聲社
• 発売年月日: 2006/07/07
• JAN: 9784891883300

商品レビュー

2006/08/15

77年の池之端事件裁判での被告人陳述、被告側証人の証言などをそのまま掲載しているが、主に韓民統と朝総連との関わりを説明したり、北朝鮮の体制のダメな点を研究者などが証言していて、その方面に興味があればよく勉強になる。けれど、事件と裁判の全体が説明されていないので、以上の証言が、民団青年の建造物侵入(事実上韓民統主催の催しに対し)についての裁判に、こじつけてされたような印象を持ってしまう。実際はそうでなかったらいいのですが。ちょっと気になったのですが、この出版社の社長の尹隆道さんと、池之端事件の被告人の一人である尹隆道さんと、「絞死刑」の尹隆道さんは同一人物なのかな。//////「歪められた韓国像に挑む」(洋々社)にはこの裁判の主要な部分が概ね掲載されていた。事件は民団傘下の青年会が朝総連の傘下組織とも言える韓民統が実質上主催した海外韓国人民運動代表者会議開催に対する妨害行為として建造物侵入、暴力行為等処罰違反を犯したもので、被告人弁護団は韓民統が韓国に対する利敵行為を行おうとするのに対抗した正当な行為だと主張。判決は、韓民統による会議開催が直ちに韓国の存立を危うくするには至らず、暴力的手段で反対意見を表明するのはダメです。として、被告人ら4名は執行猶予付きの有罪判決。「罠」よりもこちらの本の方が良いと思います。