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扉の国のチコ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2006/06/01 |
JAN | 9784591092828 |
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扉の国のチコ
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商品レビュー
4.8
7件のお客様レビュー
一人ぼっちのチコ。望遠鏡で遠くを見て,目で旅する。迷路の先,扉の国の老人が導く。森のようなオリーブの木。不思議な世界観に引込まれる。現実離れした物語。
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「ちいちゃんのかげおくり」の絵を描かれた、上野紀子さんの他の絵本を、画像検索で探していたら、とても惹き付けられるものを発見しました。 内容は、他の人と、ものの見え方が異なることで、疎外感や孤独感を抱いていた女の子が、小さな望遠鏡をプレゼントされたときから、それを通した自分の存在...
「ちいちゃんのかげおくり」の絵を描かれた、上野紀子さんの他の絵本を、画像検索で探していたら、とても惹き付けられるものを発見しました。 内容は、他の人と、ものの見え方が異なることで、疎外感や孤独感を抱いていた女の子が、小さな望遠鏡をプレゼントされたときから、それを通した自分の存在する世界が好きになり、そこから、更にある人物との出会いによって・・・といった、今、目に見えているものが現実ではなく、更にそれを超えた先にあるものが現実であると、言わんばかりのメッセージは、まさに超現実主義のシュルレアリスムである。 そう考えてみると、冒頭の『瀧口修造に捧ぐ』が気になったが、本書の巖谷さんのあとがきに、その真相と経緯が書かれており、瀧口修造を知らない方でも(私もその一人)、本書の謎がある程度明らかになり、それを知ることで、本書の絵や物語が、更に味わい深いものへと変わります。 というわけで、以下、ネタバレなので、ご注意を。 そもそも、瀧口修造(1903~1979)は、詩人、美術評論家、造形作家等の肩書があり、戦前から日本におけるシュルレアリスムを牽引したとのことで、本書の文の巖谷國士と、絵の上野紀子、構成担当で、上野紀子の夫である、中江嘉男、それぞれと親交があったそうですが、巖谷國士と中江夫妻は別々に交友していたようです(中江夫妻に関しては、1974年の「小宇宙 鏡の淵のアリス」で瀧口が序文を書いている)。 また、本書に登場する女の子「チコ」は、中江夫妻が1966年に発表した、「ペラペラの世界」という絵本で既に登場しており(望遠鏡をのぞくチコの姿も)、更にその後、1978年には、チコではなく男の子だが、「扉の国」という、本書とよく似た内容の絵本が出版され、ここで、ステッキをもつ瀧口修造その人が登場しております。 ここで、話を本書に戻すと、チコが扉の世界を覗いている途中で出会った老人、その人が瀧口修造であり、それは、彼の書斎の中の、ミロという名の瓢箪(瀧口はジョアン・ミロからカラバサの実を贈られ、ずっと宝物にしていた)や、ジョーンズという名の眼鏡(ジャスパー・ジョーンズ)からも分かり、そこからの内容は、彼が実際に生きた人生そのものに、チコを同行させる展開になります。 その旅はまず、瀧口の友人である、マルセル・デュシャン(1887~1968)が亡くなった後に、自ら彼の展覧会を見に、フィラデルフィアの美術館に赴いたエピソードがあり、ひびの入ったガラスの板のアート(大ガラス)を眺めながら、瀧口(正面からの絵がまた貴重)もチコも嬉しそう。 また、この場面でのチコの、「ひらたくて薄い、ペラペラの世界~」の台詞は、上記の、中江夫妻の同名絵本に登場したチコと、同一人物であるということが判明し、昔からチコの絵本を愛してきた方には、嬉しいものがあるのでしょうね。 それから、次のチェスのシーンでは、デュシャン本人が有名なポーズそのままで登場し、その後の、木の扉を覗いた先にある光景は、デュシャンの最後の作品「遺作」であり、現実では、扉に開けられているふたつの穴から、それを覗いている瀧口の後ろ姿を映した写真を、100号の大きな油絵に描いて、瀧口にプレゼントしたのが、中江夫妻なのですが、本書に出てくる瀧口の後ろ姿の絵は、その殆どが写真のポーズになっているとともに、上記した、「扉の国」の瀧口の後ろ姿も同様のポーズであり、ここで『瀧口修造に捧ぐ』の思いの深さの一端が覗けた気がいたしました。 そして、本書において、もう一つ大切なのが、瀧口の「遺言」と題する詩(草稿)で、その内容は、 年老いた先輩や友よ、 若い友よ、愛する美しい友よ、 ぼくはあなたを残して行く。 何処へ? ぼくも知らない ただいずれは、あなたも会いにやってきてくれるところへ。 それは壁もなく、扉もなく、いま ぼくが立ち去ったところと直通している。 いや同じところだ。星もある。 土もある。歩いてゆけるところだ。 いますぐだって…… ……ぼくが見えないだけだ。 あの二つの眼では。さあ行こう、こんどは もうひとつの國へ、みんなで…… こんどは二つの眼でほんとに見える国へ…… シュルレアリスムを通して、チコは悲しくても、寂しくても、なんだか力が湧いてくるように感じていたようで(こんどは二つの眼でほんとに見える)、それは、巖谷國士、上野紀子、中江嘉男と瀧口修造との、長きに渡る素晴らしき交友や想い出がもたらしてくれたようにも、感じられました。
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感想が少し難しいお話ではあるけど、読後感は悪くない。シュルレアリスムの絵本。 本文中にデュシャンの名前が出てきたときに、この物語が現実と繋がっていることを察する。冒頭に「瀧口修造に捧ぐ」と献辞があって、あとがきを読むと物語の中の「ステッキの老人」が瀧口氏を写し取った登場人物である...
感想が少し難しいお話ではあるけど、読後感は悪くない。シュルレアリスムの絵本。 本文中にデュシャンの名前が出てきたときに、この物語が現実と繋がっていることを察する。冒頭に「瀧口修造に捧ぐ」と献辞があって、あとがきを読むと物語の中の「ステッキの老人」が瀧口氏を写し取った登場人物であることがわかり、そして友人だったデュシャンなど、瀧口氏を中心として繋がっていく人や物の物語なのかな。 巌谷國士・文、上野紀子・絵、中江嘉男・構成。 妻と息子が『ねずみくんのチョッキ展』で図録を買ってきて、その中で紹介されていたことが手に取った切っ掛け。
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