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キャラクター小説の作り方 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店/角川書店 |
発売年月日 | 2006/06/25 |
JAN | 9784044191221 |
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キャラクター小説の作り方
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商品レビュー
3.6
19件のお客様レビュー
「9.11を発端とするイラク戦争はいかに物語として面白いか」を物語論の枠組みから読み解こうとするくだりが劇薬のようにおもしろかった
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著者の『物語の体操』(朝日出版社)と同様、キャラクター小説の持つ構造が解き明かされるとともに、キャラクター小説の置かれている位置を、私小説や戦後文学との関わりの中で明らかにしています。 著者によれば、自然主義文学の中から生まれた私小説は、「私」の視点から見られた現実を「写生」す...
著者の『物語の体操』(朝日出版社)と同様、キャラクター小説の持つ構造が解き明かされるとともに、キャラクター小説の置かれている位置を、私小説や戦後文学との関わりの中で明らかにしています。 著者によれば、自然主義文学の中から生まれた私小説は、「私」の視点から見られた現実を「写生」することによって生まれます。これに対してキャラクター小説は、アニメやコミックのようなまったく別の世界の人物が生きる「仮想現実」を描写したものとされます。キャラクター小説で描かれるのは、「キャラクター」の視点から見られた仮想現実です。キャラクター小説では、物語の設定と、その世界を生きるキャラクターについての設定が密接につながることで、生き生きとしたキャラクターを作り出すことがめざされます。 さらに本書の後半で著者は、田山花袋の『蒲団』を、「文学」が「キャラクター小説」との間に線引きをする小説として読みなおそうとします。近代以前には「私小説」的に語られる「私」は存在しなかったのであり、言文一致運動と自然主義文学によって、はじめて「私」が成立したのだと著者は主張します。ところが、『布団』という小説で、主人公は彼の「文学」によって「私」という仮構を生き始める女弟子にうろたえることになります。私小説の「私」も仮構にすぎないということはしばしば語られますが、そのように語る「文学」はなお、「私」を「文学」を書くことによって保証しようとする誘惑から逃れ切っていないと著者は言います。その上で、「作者としての私」を描くのが「私小説」であり、「キャラクターとしての私」を描くのがキャラクター小説だという解釈が導かれています。 こうして著者は、キャラクター小説を書くことを志す読者に対して、キャラクター小説というジャンルの来歴を自覚し、その限界や困難さを知ることで、キャラクター小説の新たな可能性が開かれることになるのではないかと語りかけています。
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創作論としては物語の文法、オリジナリティのあるキャラクターという2点が本書の肝。あとは構造論が中心。
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