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「ゲド戦記」の世界 岩波ブックレット683
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2006/09/08 |
JAN | 9784000093835 |
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「ゲド戦記」の世界
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
この本には河合さんの文章はないですが、大人に読んでほしい児童書として河合隼雄さんは「ゲド戦記」あげています。4巻目の「帰還」は十牛図なぞらえてすばらしいと言っていました。 p31で「意味を語ってはいけない」と心理学者を牽制しているような清水さんの発言がありました。「帰還」の躍動感...
この本には河合さんの文章はないですが、大人に読んでほしい児童書として河合隼雄さんは「ゲド戦記」あげています。4巻目の「帰還」は十牛図なぞらえてすばらしいと言っていました。 p31で「意味を語ってはいけない」と心理学者を牽制しているような清水さんの発言がありました。「帰還」の躍動感のないストーリーに読者の批判が高まり、ル・グウィンは「帰還」の意味を語って言い訳をしまったのでした。 以下この本の中の清水さんのお話の抜粋です。 「 ル・グウィンは必死になって意味を語っていたのです。第4巻をなぜこのように書いたかと問われ、それに必死で答えようとして、意味を語ってしまった。 でも、私たちが実際に物語を読むときは、意味だけを楽しんでいるわけではないですね。意味だけ楽しむなら、哲学の本で充分です。文学の場合はそれだけではなく、意味からこぼれ落ちるものがとってもたくさんあって、実はそれを、私たちは楽しんでいる。それが文学作品を豊かなものにしている。 子どものときの読書感想文で、いちばん感想文を書きやすいものは、意味がはっきりしているものですよね。そこからこぼれ落ちるものを一生懸命に書いたって、先生は認めてくれない。だいたい子どもには、感想文はどう書けばいいのか、わかっているんです。」 以上。「なるほど」ですよね。 NHKの「こころの時代」2020.3.22放送の「己の影を抱きしめて」を見ているので、私は、あのお顔や声をイメージしながら読みました。清水さんは老賢者みたいでいい感じですよね。
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【1回目】偶然、自室の書架から救い出したもの。見つけてよかった。作品が体現しているテーマや意味に拘泥することで矮小化されてしまう点について、注意を喚起している。『影との戦い』だけは、数回再読しているのだが、やはり全巻を通じて再読する必要と価値があると思われた。電子書籍化に際して、...
【1回目】偶然、自室の書架から救い出したもの。見つけてよかった。作品が体現しているテーマや意味に拘泥することで矮小化されてしまう点について、注意を喚起している。『影との戦い』だけは、数回再読しているのだが、やはり全巻を通じて再読する必要と価値があると思われた。電子書籍化に際して、あとがきも付されている様子なので、買い直しを検討したい。ル=グィン、清水とも、他の著作をもっと読み込んでいきたいと思わされた。
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13.6~7 ☆面白かったところ☆/2 言葉探しの三十年…第4巻「帰還」でテナーが使う言葉は成熟している。男性社会で、主義主張、思想を語る言葉(話し方)が多い中、テナーは違和を感じ、生活に根ざした言葉の使い方をする。清水さんはそういう文体に触れていて、テナーは、男の人が家事を手伝...
13.6~7 ☆面白かったところ☆/2 言葉探しの三十年…第4巻「帰還」でテナーが使う言葉は成熟している。男性社会で、主義主張、思想を語る言葉(話し方)が多い中、テナーは違和を感じ、生活に根ざした言葉の使い方をする。清水さんはそういう文体に触れていて、テナーは、男の人が家事を手伝うことに対し、して「くれる」のよとは言わないだろうとはっとする。/3 意味からこぼれ落ちるもの 「賢治の文学という『眼鏡』をかけて見ると、キノコの生え方にしろ、山の盛り上がり方にしろ、露の置き方にしろ、私たちを取り巻く自然界が本当に鮮やかに私たちの目に飛び込んでくる。(略)『ゲド戦記』もやっぱり、テーマだとか意味だとか、もちろんそれは捨てるわけにいかないし、たしかに大事なのですが、そこから外れるもの、こぼれるものをもっともっと、楽しんでもいいのではないかと思いますね。」←作者自身でさえも意味を語ってしまう。/4 ル・グウィンとともに…ル・グウィン『ファンタジーと言葉』より。小説が幸福を書くと、批評家はその小説を「卑俗で、感傷的で、(言い換えれば)女性向けの作品だと片付けてしまうのである。」しかし、幸福には色んな形、ひずみもあってこそ成り立っているとル・グィンは言っている。トルストイ「不幸には様々な形があるが幸福はみな似ている」への反論(私なりの要約)。清水さんはそれを受けて、子どもの文学も、幸福を書いている、幸せな結末というだけで下に見られるのは違うのではないかと。/研究書も色々発見があるんだけど…。読んでて純粋に楽しめるのは、翻訳なんかで、どっぷり世界に浸かっている人のだなぁと思った。
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