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アジア主義を問いなおす ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2006/08/10 |
JAN | 9784480063182 |
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アジア主義を問いなおす
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
注目箇所は5章の、「なぜ<東亜新秩序>は実現しなかったのか」であり、新米と反英を同時追求していたという解釈である。また、その後のイデオロギー的な「大東亜共栄圏」と比較する事により、政策的な昭和研究会と抽象的な京都学派を対比するのはこれまで気がつかなかった点であり参考になる。ここは...
注目箇所は5章の、「なぜ<東亜新秩序>は実現しなかったのか」であり、新米と反英を同時追求していたという解釈である。また、その後のイデオロギー的な「大東亜共栄圏」と比較する事により、政策的な昭和研究会と抽象的な京都学派を対比するのはこれまで気がつかなかった点であり参考になる。ここは外交史を専門とする著者ならではの視点であると言えよう。 思想史的に語られる傾向にあるアジア主義を政治史(外交史)的に問い直すという作業を行う事により、現代の国際関係への教訓として適用しようとする試みのようだが、それがどこまで可能なのかは教訓主義的歴史観の問題でもあり、中々判断の難しい所でもある。
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1930年代のアジア主義の実態を明らかにしながら、現代のアジア外交について考えるための教訓を引き出そうと試みている、意欲的な内容の本です。 「アジアの解放」というスローガンが侵略という実態に結びついた経緯を解きほぐしており、当時の政治と文化の複雑な絡みあいの諸相を知ることができ...
1930年代のアジア主義の実態を明らかにしながら、現代のアジア外交について考えるための教訓を引き出そうと試みている、意欲的な内容の本です。 「アジアの解放」というスローガンが侵略という実態に結びついた経緯を解きほぐしており、当時の政治と文化の複雑な絡みあいの諸相を知ることができました。とくに、三木清や蠟山政道らが参加した昭和研究会の「東亜新秩序」という原理の理念と実現可能性の双方にわたってくわしい検討をおこない、侵略のイデオロギー的な粉飾と切り捨てるのではなく、現実の歴史をどのように変えていく可能性があったのかということを検証しているところは、たいへん興味深く読みました。 また著者は、閉鎖的なブロック経済を明確に否定した蠟山の「東亜新秩序」構想から、現代に活かされるべき教訓を読み取っています。アジア主義は、アメリカの一極支配に対する対抗原理と考えるべきではなく、世界経済のネットワーク化を形成する国際新秩序へ向けての構想として考えるべきだとする主張には、多くのことを考えさせられます。 欲を言えば、「アジア主義を問いなおす」というタイトルで、しかも新書というスタイルで書かれた本なので、現代のアジア主義についても紹介してほしかったように思います。宮台真司の「亜細亜主義」には少しだけ言及されていますが、宮台の師匠筋に当たるマルクス主義哲学者の廣松渉も晩年にアジア主義の主張をぶち上げたことがあり、「アジア主義」というテーマのもとで考えるべき事柄はまだ多く残されているように思います。
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1930年代、昭和4年ころから終戦までの間の「アジア主義」について、具体的にどのような「政策」が取られていたのかについて考察をしている本です、政策といってもその根底になる「思想」についてもきちんと触れられています。いままでにないタイプの切り口だと思います。 アジア主義を定義する...
1930年代、昭和4年ころから終戦までの間の「アジア主義」について、具体的にどのような「政策」が取られていたのかについて考察をしている本です、政策といってもその根底になる「思想」についてもきちんと触れられています。いままでにないタイプの切り口だと思います。 アジア主義を定義することはとてつもなく難しいことですが、昭和に入ってからのアジア主義が、アジアとの連帯を求めながらアジアに侵攻していくという二律背反的なものだったことは間違いありません。戦後、GHQなどによって「連帯を求めるというのは建前で、侵略が目的だったのだ」ということになり、アジア主義は抹殺されます。戦争の主導者ということにされていきます。 僕はこのことに大きな疑問を持っていますが、この本も同じ疑問を出発点にしています。 「1930年代のアジア主義の知的挑戦と政策構想を再発見することによって、私たちが継承すべきアジア主義の歴史的経験とはどのようなものかを明らかにしつつ、同時にこれからの日本外交政策に示唆するものは何かを具体的にかんがえてみたい。」 具体的な内容は読んでいただきたいと思いますが、高校の教科書で習ったようなこと、世間一般で考えられていることとは違う事実が明らかになります。 たとえば、満州国の経済を自立させるためにはアメリカ資本、アメリカからの出資が不可欠であったこと、日支満の提携においてもイギリスを排除しつつアメリカを巻き込もうとしたことなど、つまり、ブロック圏経済は、他のブロックとの交易を必要とするという意味でグローバル化が不可避だったことが指摘され、日本政府もその線で政策を考えていたことが明かされます。 もちろんこれ1冊でアジア主義主義のすべてが理解できるわけではありません。アジア主義は源流は明治自由民権運動と不可分で、その後の展開は非常に複雑です。その部分を単純化しすぎているのではないかという疑問があります。 ただ、新書の限界もあります。すべてが書き込めるわけではありません。「1930年代のアジア主義の知的挑戦と政策構想を再発見する」本だと捉えれば、非常に示唆に富んだ内容だと感じました。 <目次> 第1章 今なぜアジア主義を問いなおすのか 第2章 「アジア主義」外交はどのように形成されたのか 第3章 「東亜モンロー主義」外交とは何だったのか 第4章 侵略しながら連帯する 第5章 なぜ「東亜新秩序」は実現しなかったのか 第6章 歴史の教訓
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