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家族療法の基礎理論 創始者と主要なアプローチ
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家族療法の基礎理論 創始者と主要なアプローチ

リン・ホフマン(著者), 亀口憲治(著者)

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家族療法の基礎理論 創始者と主要なアプローチ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日出版社/朝日出版社
発売年月日 2006/03/25
JAN 9784255003573

家族療法の基礎理論

¥2,750

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2019/08/05

ナラティヴ・セラピーは、家族療法のシステム・アプローチへの批判のなかから生まれたもの。 とはいえ、システム・アプローチ自体がよくわかっていないので、その分野全体を一望できそうなリン・ホフマンの「家族療法の基礎理論」を読んでみた。 大著で、結構、専門的なので骨がおれたが、これは...

ナラティヴ・セラピーは、家族療法のシステム・アプローチへの批判のなかから生まれたもの。 とはいえ、システム・アプローチ自体がよくわかっていないので、その分野全体を一望できそうなリン・ホフマンの「家族療法の基礎理論」を読んでみた。 大著で、結構、専門的なので骨がおれたが、これはすごいな〜。 ある患者の症状は、その人自身の本質からでてくるんじゃなくて、家族のシステムが生み出しているかもという視点。 そういうことあるよね〜、と思ってはきたが、その辺のところが理論的にも臨床的にも解説されていく。 ダブルバインド理論に始まり、3者関係、セカンドオーダー・サイバネティクス、コミュニケーションから構造への関心の変化などなどの理論的進化。そして、グレゴリー・ベイトソンにはじまり、ヴァージニア・サティア、ミルトン・エリクソンなどの有名な心理療法家、そして、これまで名前を聞いたこともない家族療法の大家たちの理論と実践が紹介されている。 これまでいわゆるシステム思考は、 ・因果関係の構造をあつかうシステムダイナミクス(時間の概念を扱う) ・関係性の構造をあつかう社会システム論(関係性と場の概念をあつかう) というふうに理解してた。 もちろん、特徴としてはそういうのもあるのだが、「家族療法」は、社会システム論だけではなくて、システムダイナミクス的な因果関係、時間的なパターン、構造も包含しているんだな〜と目から鱗。 あとシステム的なアプローチがしばしば対象としているグループに挑発的に関わっていく理由がわかった。システムの恒常性を破壊して、そこから自己組織化が生まれることを意図しているんだね。(時代によって、その根拠している理論は違うんだけど) わたし自身は、心理療法をやっているわけではなく、ましてや家族療法をやっているわけではないのだが、個人やグループに対するコーチングやファシリテーションをやっているわけで、よくぞこれまで、グループのこういう複雑なダイナミクスへの理解なしにやってきたなとちょっと空恐ろしくなる。(最初に知っていたら、もうやれなくなっただろうね) さまざまな家族療法のアプローチがなされたところで、この本がでた1981年の時点では、ミラノ派のシステミック・アプローチが最先端という位置付け。この本の流れのなかでは、ミラノ派はたしかになるほど感高し。 しかしながら、ナラティヴ・アプローチでは、リフレクティングが、ミラノ派への批判で始まっているわけで、ホフマンも、その後、ナラティヴに転回しているんだよね。 理論上はうまくいきそうなシステムアプローチが実践的な限界に達したところでの転回としてのナラティヴアプローチ。 一方、ミラノ派までくるとナラティヴ・アプローチまであと一歩という感じもあって、ナラティヴ・アプローチがそれまでのシステムアプローチのトライアル&エラーの上になりたっているということも感じる。 ますます、ナラティヴへの興味が高まる。 ちなみに、この本には、へリンガーのファミリー・コンステレーションの話はでてこないな。この時点では、まだこのアプローチは有力ではなかったのだな〜。 そっちのほうも、軽く読んでみたい。

Posted by ブクログ

2016/03/24

家族療法の歴史的変遷、理論の基礎となるところ、また、家族療法の歴史上欠かすことのできない各セラピストの臨床についてまとめられている一冊である。 原著は1981年出版のため、少し内容的に古いところもあるかもしれない。しかし、本書は家族療法の表面的な解説に留まらず、より本質的な部分...

家族療法の歴史的変遷、理論の基礎となるところ、また、家族療法の歴史上欠かすことのできない各セラピストの臨床についてまとめられている一冊である。 原著は1981年出版のため、少し内容的に古いところもあるかもしれない。しかし、本書は家族療法の表面的な解説に留まらず、より本質的な部分を掘り下げていくように論じられており、大変骨の太い作品に仕上がっている。 したがって、古いー新しいという単純な基準で安易に切り捨てずに読み進めていくとより身のある学習ができるのではないかと思う。これは先代との対話でもある。この大きな文脈をつかむことは大変重要な作業といえよう。 とはいえ、実際そのような大袈裟な努力は必要ないかもしれない。なぜなら、そこには色褪せることのない理論の数々が今もなお輝いているし、天才的なセラピストの斬新なアプローチに幾度も衝撃を受けることになるのだから。

Posted by ブクログ

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