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「坂の上の雲」と日本人
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2006/03/03 |
JAN | 9784163680002 |
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「坂の上の雲」と日本人
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商品レビュー
4.2
5件のお客様レビュー
▼関川夏央さんといえば諸々優秀な作家さんですが、同時に「司馬遼太郎評論家」?でもあります。その関川さんの「坂雲」本。基本、作品と作者への愛情に溢れているので、とっても長い巻末解説、といった趣です。 ▼「坂雲」に書かれなかった、明治時代&日露戦争の関連トリビア。「坂雲」が...
▼関川夏央さんといえば諸々優秀な作家さんですが、同時に「司馬遼太郎評論家」?でもあります。その関川さんの「坂雲」本。基本、作品と作者への愛情に溢れているので、とっても長い巻末解説、といった趣です。 ▼「坂雲」に書かれなかった、明治時代&日露戦争の関連トリビア。「坂雲」が時代考証的に間違っているところの指摘。「坂雲」に作者がこめた思いへの想像。「坂雲」が書かれた時代について。などなど。「坂雲ファン」としては基本的に面白かったです。(どのあたりが、「坂の上の雲」と日本人、なのだろうかというぼんやりした疑義はありますが) ▼中でも面白かったのは、石炭と石油。日露戦争直後から、最新鋭軍艦は石油で動くようになった。そこから石油の時代が始まる。そこから、中東という地域の地理的な価値がガラリと変わっていく。なるほど。オモシロイ。 ▼あと、書かれた時代ですね。司馬さんが「坂雲」を連載していたのは1968−1972。つまり前半はまだ三島由紀夫が生きていた時代なんですね。そして学生運動、共産主義が一部では流行していた。マルクス史観。そんな中で司馬さんはものすごい反動かつ抵抗的な、「坂雲」を書いていた。 ▼関川さんの文章は上手で、なんというか、自意識に満ちた品がありますね。大人だなと思います。この本は講演を聞いているかの如き敬語調なんですが、それが引用される「坂雲」本文の口調と上手い対比で読みやすくなっています。もちろん、作者か編集かの意図なんでしょう。素敵。
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封建体制打倒=回天を無私の至情で成し遂げた『竜馬…』、明治再評価の『坂の上…』/前者を読んで維新の偉業に感涙し、後者を読んで明治の先人を誇らしく思わない日本人はいないだろう」、占領軍左派が非道にも押し付けた教育改悪として「明治暗黒期」史観。事実として明言できないだけに年度末「時間...
封建体制打倒=回天を無私の至情で成し遂げた『竜馬…』、明治再評価の『坂の上…』/前者を読んで維新の偉業に感涙し、後者を読んで明治の先人を誇らしく思わない日本人はいないだろう」、占領軍左派が非道にも押し付けた教育改悪として「明治暗黒期」史観。事実として明言できないだけに年度末「時間切れ」でごまかす。異見として大蔵制作『明治天皇と日露大戦争』的小説をサンケイ新聞に執筆する勇気。乃木希典と伊地知参謀を無能と断定、ちょっと気の毒/40年後、米国相手に真珠湾攻撃し「全面降伏以外受け付けない」事態を招いたのはなぜか?
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坂の上の雲本編を読んでなくても楽しめるが、やはり読んでからの方がいい。司馬の人生観も交えながら明治の軍人達の解説を進めるあたりがよい。それにしても百年でこれほど民族のレベルは落ちてしまうのだろうか?
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