アート・マーケティング

辻幸恵, 梅村修【著】

• 販売会社／発売会社: 白桃書房/白桃書房
• 発売年月日: 2006/05/26
• JAN: 9784561651574

商品レビュー

2011/09/14

日本の現代アートの社会との関わりにおいて、その在り方が見直されて行く過程、要因を書く。村上隆のビジネスとしてのアートや、ものをアートとして読み替えて売る事例などが印象的。

2009/08/03

アート、美術を発展させるために、「アートを売る」、「アートで売る」という視点で、
現代美術を取り巻く環境を解説する一冊です。
美術だけに限らない、「価値」というものを考えさせられました。

(読んだ日 2009/08/02)

アートマネージメント
　社会とアートのインターフェース
　アーティストの表現行為の環境整備
　アートの意味・価値の理解を広める
　資金の調達

現代アート
　必ず観衆を予定している
　コマーシャリズムの協力者

価値
　商品との距離を感じ、その距離を克服したい・消費したい、
　わがものにしたいという欲求が形成され、商品の価値を生む

美術的な価値
　西洋美術史上のコンテキストに乗ることが前提となる

消費欲の創出
　意図的に距離を作る
　「アートで売る」とは価値の創出の一つの手段

アートで売る
アートを売る：アートに仕立てる

アート
　物事の価値を変える行為
　選択、みなし、組み合わせ

現代は国民全体よりも狭い興味や関心で囲い込まれた集団の心をとらえれば売り上げにつながる
　所属カテゴリーの細分化

なんでもあるが欲しいものがない
　「セレクトショップ」への移行

セレクトショップの店主
　売り手＝買い手
　買い手が選んで売る、カリスマ消費者

規格大量生産→多種少量生産への移行
　コンセプトが明快となる

ハードパワー
　物理的な強制力や経済的なインセンティブを操作して相手の意に反した行動をとらせる

ソフトパワー
　相手の意思そのものに働きかけ、自分の意思を受け入れさせる

アート：市場経済で成り立ちにくい非営利のソフト
エンターテイメント：市場で成り立つ営利を目的としたそ風呂

日本と西欧の認識の違い
　日本はアートとエンターテイメントを区別しない
　西欧はアートとエンターテイメントを区別する

現代の典型的なアート観
　美術館に飾られるもの
　　→実際は今や何でもあり、アートに対する先入観がその時代の常識を作る
　メセナ活動
　　→芸術文化を庇護・支援すること

日本のアート観の本質
　アートは「飾り」と「遊び」
　ただ見るのではなく、おしゃべりなどの中で物見遊山的に鑑賞する

浮世絵、仏像、茶器、根付など
　生活の中で実際に使い、消費されるもの

竹久夢二

百貨店の特設美術館

深沢直人のプロダクトデザイン

小道具 坂田

日本の美術館の現状
　経済的
　行政的：美術館の貸し画廊化、ハードに相応したソフトが貧弱
　制度的