月の笛 文学の散歩道

武鹿悦子【作】, 東逸子【絵】

• 販売会社／発売会社: 小峰書店/
• 発売年月日: 2006/10/10
• JAN: 9784338224031

商品レビュー

2024/05/27

1000年の時を越えて月の笛を取り戻しにいく物語 。
人は1人では生きていけない、いろんな人々と交じりあい、そして別れる。
それが少年を強くしていくのだろう。
草の中の舟にわくわくしてしまった。

2023/07/06

少年潮が,時の波を越える舟に乗り,月の笛を取り戻す冒険。(笛吹幽霊に同情)
少年に無理やり修行させるスクネ坊は面倒臭い奴だが,頼もしい味方。
東逸子の絵が幻想的。

2016/07/22

子どもには子どもの社会がある。大人の都合ですべてを決められ、引っ越し、転校、そして友だちとの別れを乗り越えなくてはいけない辛さには覚えがある。主人公の潮に降りかかるそれらの悲しみを、けれど彼は幽霊とのある約束を果たすため迷いを乗り越え千年の旅路を遡る。少年の子どもらしい正義感と、心の揺らぎ、そして少年に助力する不思議な力を持つ動物や行者たち。千年の時の悠久は、目覚めれば一夜の儚い夢となり思い出となってゆく。「ありがとうがさよならになる」。長い夢のあとにおとずれた夜明けのような小粒だけれど清らかな読後感。