東大駒場連続講義 歴史をどう書くか 講談社選書メチエ359

甚野尚志【編】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2006/04/12
• JAN: 9784062583596

商品レビュー

2025/01/29

1. 歴史とアイデンティティ
- 歴史は個人や集団のアイデンティティ形成に深く関与している。
- 文化や社会の異なるバックグラウンドを持つ人々が歴史を共有することは難しい。
- 日韓や日中間での歴史認識の相違が問題視されている。

2. 儀礼と王権
- 日本の天皇の即位儀礼は、古代からの伝統を反映している。
- 孝明帝の即位式は特に中華風の儀礼が強調され、仏教的要素も含まれていた。
- 明治・大正期には、即位儀礼が大きな変化を遂げ、西洋的要素が取り入れられた。

3. モノで読む歴史
- 物質文化の視点から歴史を考察することの重要性が強調されている。
- 古代の稲作や品種管理に関する発見が、歴史的な農業の実態を明らかにする。

4. パールシーのアイデンティティ
- パールシーの歴史認識とアイデンティティの形成における植民地期の影響。
- ゾロアスター教徒がインドに移住した経緯とその後の社会的・文化的適応。

5. 歴史の主体性
- 歴史の研究は、過去の出来事だけでなく、その記述の背後にある意識や社会状況も考慮すべきである。
- 多様な経験と認識の共有が歴史を共にすることの鍵となる。

6. 近代的歴史学の限界
- 近代科学的歴史学は、多様な歴史観を排除する傾向があり、歴史の実感と乖離している可能性がある。
- 日本を含む多くの国々で、伝統的な歴史観と近代的歴史学の関係が再考されている。

7. 現代における歴史の重要性
- 現代社会においても、歴史は単なる過去の記録ではなく、現在の生活や文化に深く根ざしている。
- 歴史の理解は、個人のアイデンティティや社会の構造を理解するための重要な要素である