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リア王 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社/光文社 |
| 発売年月日 | 2006/09/06 |
| JAN | 9784334751012 |
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リア王
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商品レビュー
3.9
29件のお客様レビュー
ここまで悲劇的な終幕が許されて良いものかと衝撃を覚えてしまった…… 別に何もかもが運命の悪戯や悪魔的な采配による不幸ではない。それぞれに少しずつ罪が有ったり落ち度が有ったりする。しかし、だからといって罪を悔い改めて己を見つめ直せたかもしれない者や、心優しき者まで犠牲になる終幕は容...
ここまで悲劇的な終幕が許されて良いものかと衝撃を覚えてしまった…… 別に何もかもが運命の悪戯や悪魔的な采配による不幸ではない。それぞれに少しずつ罪が有ったり落ち度が有ったりする。しかし、だからといって罪を悔い改めて己を見つめ直せたかもしれない者や、心優しき者まで犠牲になる終幕は容赦が無さすぎて唖然とさせられる 歴史的には本作が上演される際にはハッピーエンドに改作されたものがお決まりだったらしいけど、それが頷けるくらいに本作からは救いや幸福感は容易には感じ取れない では、何を本作は訴えてくるかといえば、人間は地獄と紙一重の世界で生きているのだと、それでもより良い人生を得る為に最良の未来へ手を伸ばす事を諦めてはならないのだという点かもしれない まず、冒頭からして衝撃的 物語が始まってすぐにリア王が娘達へ領地の分割を行うのだけれど、その際におべっかを口にするゴネリルやリーガンに良い顔をして、偽りのない言葉を口下手ながら発したコーディリアを勘当してしまうという衝撃 道徳的な作品であれば、偽りを口にした長女・次女にいずれ天罰が下り、真実を口にしたコーディリアに幸福が訪れるものだろうけど、本作では三者等しく不遇の死を遂げる。それどころか、真実を見抜けなかったリア王とて長女・次女から放逐され非業の死へと突き進む事になるのだから理解を超えている 面白く映ったのはリア王や三姉妹に対する作中人物に対する評価かな 心にも無い偽りを口にしてリア王の好感を勝ち取ったゴネリルとリーガンだけれど、彼女らとて同様に心にも無い偽りを口にするエドマンドによって財力や権威を狙われている。そして、その果ては⋯ と、こちらについては判りやすい構図をしている。この者らに関する構成は最早道徳的と言ってすら良い。そのせいか、作中でも彼女らの死について冷淡な反応が取られているほど 対して、リア王に対する作中評価の変遷は本当に面白い 冒頭の引退宣言やコーディリアに纏わる言動はケントなどから猛批判され、娘達の館に逗留した際の横暴さなど真っ当に非難されている。これらの展開はリア王が道徳的に考えれば討ち果たされるべき悪と見る事が出来る だというのに、娘に裏切られたリア王が荒野を彷徨う段になって評価は一変するね。実父に対してあのような非道を行うべきではないとか、忠臣としてお助けせねばとか 裏切れたショックにより狂気へと陥る老王の姿は確かに哀れに映る。此処まで来ると己の行いにより罰を受けていると感じ取る事すら難しい そして、リア王への評価がそのように落ち着いてしまったからこそ、彼へ偽りのない愛情を向けていたコーディリアとの再会は希望溢れたものと感じられ、その分だけ二人に訪れた非業の死に対する衝撃が計り知れないものとなる 救われて欲しい者が救われず、報われて欲しい者が報われない。鑑賞者や読者の期待を裏切り残酷な結末へとひた走る本作の展開を納得できるものと感じる事は難しい けれど、これによって本作を唾棄すべきもの、または認められるべきではない作品とも捉えられないのも事実。何故なら本作は真摯に絶望へと突き進んでいたのであって、読者の予想を裏切るべく衝撃的な結末を突如用意した訳では無いだろうから 本作は実社会に存在する地獄を真っ当に写し取ったのであって、作品そのものが誰かを裏切ってなど居ないとも言える。現実でも人が容易に陥る地獄を作中に用意し、罪の有る者も無い者も等しく地獄へと落ちてしまったというだけ ただし、登場人物残らず地獄行きに成ったら、本作を見ても何の感慨も得られない。それ故に用意されているのが生き残った三人の共通項。忠心を持つ三人が生き残った者の責務として、また若い衆として何をなさねばならないのか 悲惨な物語であるからこそ、狂気とは全く異なる感情がラストに残された事に想いを馳せてしまう、そんな受け止め方の難しい名作でした
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気違いと道化がよく分からん例えで話すのですごく読みにくい。 お芝居用だからにしてもなんでこんな展開になってるんだ?というのが多過ぎて全然読めた気がしない。 本より映像作品を見た方が良さそう
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シェイクスピアの言わずとも知れた悲劇の名作。良いテンポとユーモアのある表現が心地良い。 コアメッセージとしては「権力は持ち続けろ」「だれかに依存する状況は絶対に避けろ」というところか。 リア王は物分かりの良い風を装って、気前よく娘たちに自らの権力を分け与えた。自分と自分の兵隊を...
シェイクスピアの言わずとも知れた悲劇の名作。良いテンポとユーモアのある表現が心地良い。 コアメッセージとしては「権力は持ち続けろ」「だれかに依存する状況は絶対に避けろ」というところか。 リア王は物分かりの良い風を装って、気前よく娘たちに自らの権力を分け与えた。自分と自分の兵隊を養う財産も放棄して、娘に交代で面倒を見てもらう悠々自適な老後を夢見たのだ。しかし娘たちは養い続けなければならない父親に嫌気が差して、彼を追い出してしまう。リア王は裏切られたショックに発狂し、廃人となってしまう。 あらすじとして悲劇だが、トリガーは王の愚かさにある。例え自分が王であり、頼るのが例え実の娘でも、ずっと依存し続けることはできないのだ。マキャベリは恐れによって人を統治しろと言った。「恩」などまたたくまに風化するものだと。その通りだと思う。権力は手放したら返ってくることはないのだ。 これが400年前に書かれたものだというのがまた面白い。人間の愚かさとは普遍的で不変的なものなのだ。
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