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須賀敦子全集(第1巻) ミラノ 霧の風景、コルシア書店の仲間たち、旅のあいまに 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社/河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2006/10/20 |
| JAN | 9784309420516 |

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須賀敦子全集(第1巻)
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商品レビュー
4.3
32件のお客様レビュー
やっと読み終わった。一体何ヶ月かかったことだろう。印象的でありながら、人物名を覚えるのが苦手なもので、途中で、メモを取らずにいたことを後悔した。 須賀敦子さんの本は『トリエステの坂道』を読んだ事があった。あまり前知識がないまま、あの中で読んだ風景が未だに頭の中に残っている。 この...
やっと読み終わった。一体何ヶ月かかったことだろう。印象的でありながら、人物名を覚えるのが苦手なもので、途中で、メモを取らずにいたことを後悔した。 須賀敦子さんの本は『トリエステの坂道』を読んだ事があった。あまり前知識がないまま、あの中で読んだ風景が未だに頭の中に残っている。 この本はあれよりももっと早い時期に、というか、彼女が文筆家として名をなした、『ミラノ霧の風景』と『コルシア書店の仲間たち』が収録されている一冊。そして短い人物エッセイ『旅のあいまに』。 印象的だったのは、朧げな記憶を朧げなままに書いてあったことだ。こういう書き方が出来るのだという…。 最後、少し雑に読んでしまった気もして、機会があればもう一度いつか手に取ってみたい気もするけど、そんな日は来るのかな⁇
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全集だと経済的には助かるが、一つのエッセイとしての終わりが曖昧なままに読めてしまうので、全部地続きになってしまうんだなぁ。それはそれでいいのだし、きっと編集的にも意味のあるまとまりなのだろう。ミラノ霧の風景、コルシア書店の仲間たち、旅のあいまに、の3つから感じたのは、死が霧のよう...
全集だと経済的には助かるが、一つのエッセイとしての終わりが曖昧なままに読めてしまうので、全部地続きになってしまうんだなぁ。それはそれでいいのだし、きっと編集的にも意味のあるまとまりなのだろう。ミラノ霧の風景、コルシア書店の仲間たち、旅のあいまに、の3つから感じたのは、死が霧のように霞んでみえるということ。どこか、物悲しいような、影がある。死という霧の向こう側から眺めているような、そんな気分になる。楽しいだけではなく、青春の甘酸っぱさというほどのからっとしたものではない。死という霧は決して、嫌なものではなく、心に静かに沁みてくる。上品、いや品性の中で大袈裟に悲しむでもなく、まるっきりの客観的な、冷静さがあるわけでもない。物悲しさ、追憶が霧のように纏っている。そんな文章がとても心地よい。戦後ヨーロッパという、想像するのも難しい空気感。日本のそれとは明らかに違う。所々に出てくるナチスの影響。その中で日本人として、暮らしていた著者。感情的でない文章だからこそ、より感情的に読んでしまう。日本語もとても優しく、柔らかくて読みやすかった。
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再読。 須賀敦子といえばイタリア。そのイタリアに絡む作者自身の経験などを語っているエッセイなんだけれど、当時としては珍しい海外経験をひけらかすわけでも、夫を早くに亡くした苦労を押しつけがましく語っているわけでもなく、ぽっと温かな火が灯るように心に思い出された出来事を、優しく見つめ...
再読。 須賀敦子といえばイタリア。そのイタリアに絡む作者自身の経験などを語っているエッセイなんだけれど、当時としては珍しい海外経験をひけらかすわけでも、夫を早くに亡くした苦労を押しつけがましく語っているわけでもなく、ぽっと温かな火が灯るように心に思い出された出来事を、優しく見つめ返しながら綴っているようなエッセイだった。須賀敦子の「経験」といったらそれまでだけど、そこにとどまらない何かがあるエッセイだと思う。何がこんなに多くの人を須賀敦子の文章に惹きつけるのか。それを考えながら読んでみたいと思って再び手に取ったけれど、すぐに意識は須賀敦子のイタリアへ飛んで行ってしまって、結局わかったことは、やはり須賀敦子の文章が好きだということ。まぁそれでいいか、研究者でも評論家でもないし。 ここに収められているのは以下。 ・ミラノ 霧の風景 ・コルシア書店の仲間たち ・旅のあいまに ガッティ、カミッロ、ルチア、ミケーレ、ニコレッタなどなど、たくさんの友人知人との交流が語られており、須賀敦子が、当時としてはおそらく珍しいであろう日本人としてだけではなく、ひとりの人間として、多くの人に信頼されていたことがわかるようだった。そして色んな境遇の知人友人を受け入れる須賀とペッピーノの懐の深さ・・・。この、人と人の繋がりは、時代によるものなのか、夫妻の人柄によるのか、どっちもが作用しているように感じた。それにしても、知人友人を語る須賀の言葉の中に、それぞれの背景がしっかりと書かれていることに驚く。好奇心か、探求心か、はたまた本当にその個人が好きで知りえた事なのか、歴史的、地理的な事実を織り込んで語られる須賀の友人たちはいつしかしっかりとした「ひとりの人」となって胸に迫ってくる。 誰がどう見てもあの時代にヨーロッパへ行けるなんて、生まれからして境遇に恵まれていることは間違いないのだけれど、それを自らのチャンスにしていった須賀敦子の強さに驚嘆する。淡々と書かれているから見落としがちだけれど、フランスに馴染めなくてイタリアに次の道を見出す強さ、イタリアの知識人相手に自分の意見を言ったり、認めてもらえたり、仕事をもらえたりする強さ・・・今の時代でもままならないであろうことをやってのけた須賀敦子の、そうか、その強さに惹かれるのかもしれない。 彼女が飛びぬけて優秀だったことも間違いないと思うけれど、自分が選んだ自分の好きな道に邁進し、それだけでなくちゃんと稼ぐ力も身につけ、男性に頼るわけでもなく女性としてしっかりとひとりで立っていた、そのことに強い憧れと一種の気後れを感じる読書だった。 それにしても、今まで、ぼんやりとしたイメージでしかなかった「コルシア・デイ・セルヴィ書店」がどういうものだったのか、再読してやっと少し、分かった気がした。
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