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ゆるゆる病棟 精神医療の新しい可能性を求めて
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 星和書店/星和書店 |
発売年月日 | 2006/08/10 |
JAN | 9784791106066 |
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故障を治すとき、「環境因」を取り除く方法と、「固体因」を修繕する方法とがあります。前者の典型が細菌をやっつける抗生剤の服用(薬物療法)であり、後者の典型が故障した部分を除去する外科的手術ということになります。これらを組み合わせる事が多く、結局のところ、治療とはよい「環境因」を与え...
故障を治すとき、「環境因」を取り除く方法と、「固体因」を修繕する方法とがあります。前者の典型が細菌をやっつける抗生剤の服用(薬物療法)であり、後者の典型が故障した部分を除去する外科的手術ということになります。これらを組み合わせる事が多く、結局のところ、治療とはよい「環境因」を与えて「固体因」の改善を図ることであるということになります。 精神科の場合も、その比重が疾患によって変わってくるのですが、ほとんどの病気において両方の治療が必要になると思います。 反応性うつ病 主たる環境因が回復しない限り治療するしかない。 まず①不眠、②食欲不振、③抑うつ気分、④意欲減退などの症状を改善するために、抗うつ剤や睡眠剤などを投与します。よい外的刺激(環境因)としての薬物は脳の故障した部位に作用して、少なくとも①と②を改善し、③と④も多少は軽減するかもしれません。症状が重ければ、仕事や学校を休ませることも「環境因」の面からの治療ということになります。 こうした治療だけでは改善しないことがあります。①と②は改善しても、③と④がいつまでも続くのです。「固体因」が大きい場合、すなわちその人の脳の脆弱性が強い場合です。このようなときに、精神療法や心理療法・カウンセリングが大事な治療法となってきます。事態にどう対処していったらいいのかを考えるだけでなく、自分の生き方そのものを見つめ直す必要があるかもしれません。あるいは、どうしても前向きになれない性格を少しでも変えるために、認知行動療法を受けるのがいいのかもしれません。 自分で考えるだけでは限界があり、解決できなくてこうした治療を受けたとき、やはり脳はよい刺激を受けて、さまざまなレベルで良好な変化をきたし、うまくいけば故障が修復されるにとどまらず、ストレス耐性もアップしていくことになるのです。 統合失調症では、「固体因」の遺伝子レベルにダイレクトに作用してそれを改善させる薬物療法の重要性が高く、神経症症状に対しては、今のところ「環境因」としての精神療法・心理療法の重要性が高く、薬物療法は症状を改善する対症療法・補助的治療であるといえると思います。 又、発症した年齢が低ければ低いほど、薬物という物理的な刺激によって「固体因」そのものを変化させる治療よりも、親が温かく接するといった「環境因」からの治療の比重が高くなると考えていいでしょう。 ケース検討に参加してよく聞くのは、「この患者さんは難しい人だ」という発言です。われわれは難しいままでは困りますので、患者さんの成育歴から病理の成り立ちを理解しようと試み、患者さんの人物像を描き出して「難しさ」をわかろうとします。そして、患者さん自身の洞察をどう助けるべきか、患者さんとの関係性にどう介入しようかと検討していきます。この検討過程に異論はないのですが、われわれが陥りやすいわなは、「難しさ」は患者さんの側にある性格要因や病理のせいであるとし、いかにも客観的な難しい患者さんがいるためであると考えやすいことです。実は、難しいと感じているのは心理士の側であり、心理士の主観の世界で構築された難しさのはずであるにもかかわらずです。この点に自覚的でないと、「この患者さんは難しい人だから、このような状態になるのはしかたないね」と、患者さんの「難しさ」のせいにしてわれわれが責任を放棄したり自分を守る理屈にして逃げてしまいやすくなります。 そこで私は、「難しい」と思っている自分を見つめ直す「姿勢」によって、患者さんにしっかり向き合えるようになりたいと考えています。ですから、「この患者さんのなにが難しいのだ」と問うのではなく、「私はこの患者さんをなんで難しいと感じているのか」と自問することでわなに陥らないように注意しています。 われわれは、「心理士という職業がある」のではなく、「心理士という生き方がある」(心理士になっていく)というふうに自問していくのも、「姿勢」を大切にしていけるこつかもしれません。
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主治医が出版した本。 あぁ、元主治医だね。わたしは元患者。 使命感と行動力。皆であの病院を作り上げていったんだ。あたたかで、淡く、やわらかな空間を、雰囲気を、わたしは忘れないだろう。 開業に至るまでの話、病院拡張、分院開設… それ等すべてに対し深い思いを感じた。
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