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1968年 ちくま新書
定価 ¥968
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2006/10/06 |
JAN | 9784480063236 |
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1968年
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商品レビュー
3.5
9件のお客様レビュー
1968年の新左翼の運動を、ポストモダンの諸問題があらわになった転換点として位置づける試みがなされている本です。 著者は新左翼の運動の歴史的な意義を、国家に対する反逆としてではなく、思想的・文化的なヘゲモニーをつくり出したところにあるという、グラムシ的な観点から評価しています。...
1968年の新左翼の運動を、ポストモダンの諸問題があらわになった転換点として位置づける試みがなされている本です。 著者は新左翼の運動の歴史的な意義を、国家に対する反逆としてではなく、思想的・文化的なヘゲモニーをつくり出したところにあるという、グラムシ的な観点から評価しています。そして、エコロジーやフェミニズム、マイノリティの権利要求といった現代社会のさまざまな課題が明確になった歴史的な起点として、「1968年」の意義を評価しようとしています。こうした観点から、入管問題がきっかけとなって起こった華僑青年闘争委員会による日本人への告発の問題をとりあげ、津村喬によって思想的な整備がなされ全共闘運動において叫ばれることになった、革命の「主体」の批判的問いなおしへとつながっていったことを明らかにしています。 また著者は、現代においても市民的反戦平和主義という観点から評価されている「ベ平連」について検討をおこない、米軍脱走兵の援助の背景にシニカルなアナキスト山口健二の存在があったことを指摘します。そして、三島由紀夫の短編「親切な機械」のモデルが山口であったことに注目し、1968年以降左右の政治的立場を問わずひろまっていくことになる「偽史的想像力」が抱え込んでいた、天皇制との関係についての考察をおこなっています。 さらに、革マル派と中核派の衝突に代表される「内ゲバ」については、それが武装蜂起のための「革命戦士」をつくり出す規律/訓練の場面において生じた出来事であると位置づけ、「企業戦士」がセミナーで過労死することに類した、高度資本主義社会のシニシズムの極北を示す事件として解釈しています。 1968年の事件についての客観的な分析とはいいがたい本ですが、さまざまな思想史的文脈を渉猟して現代にまでつながる諸問題の系譜が解きほぐされており、おもしろく読むことができました。
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本書の通り1968年がターニングポイントだったのかどうかの結局のところは別として「結構そうなのかも?」という気がしてくる感じが湧いてくるのがおもしろくてスラスラ読めた。 なぜ「市民運動」は実際の市民を置いてきぼりにした政治活動でしかないように見えるのか?といった我々「市民」には...
本書の通り1968年がターニングポイントだったのかどうかの結局のところは別として「結構そうなのかも?」という気がしてくる感じが湧いてくるのがおもしろくてスラスラ読めた。 なぜ「市民運動」は実際の市民を置いてきぼりにした政治活動でしかないように見えるのか?といった我々「市民」にはよくわからないところが(読みやすくはないものの)書かれているのがよかった。 現在の状況を過去の運動の影響下にあるとすると、1968年はもしかしたら「問い」の年ではあったかもしれないけど、本書で主張しているとおりに「革命」の年ではなかったように感じる。 76ページから始まる「今日のベ平連再評価」は濃くてよかったのだが、なぜ反戦平和主義は暴力的なのかというのはわからないまま。このあたりはやっぱりなんだか自分ではわからない(わかる必要もない)という感じか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
トランプ大統領が誕生し「Great America, again」ということを語っており、そのモデルがレーガンにあるということらしい。 レーガンが80年代にアメリカを立て直そうということ、それ以前にベトナム戦争があり、アメリカは疲弊してしまったこと。 その1968年に至るまでには60年の(日本では)安保闘争があったこと。 このあたりの系譜を理解しようと、そして現状に起きている世界的な「ポピュリズム」(ナショナリズム?)を捉えようと読みはじめた。 自分を「位置づける」、というところが印象に残っている。二十歳の原点でもよく記載があったが、とにかく「自分はどこに立っているのか」を重要視する。 とにかくもマイノリティー問題も資本主義的に回収され、革命が不可能性を持ってしまった。そこにあたり今度はPCを無視した大統領の誕生により、再度民族や宗教的差別がまかり通るようになりつつある。というようなことか?
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