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淑やかな悪夢 英米女流怪談集 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社/東京創元社 |
| 発売年月日 | 2006/08/31 |
| JAN | 9784488507022 |

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淑やかな悪夢
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商品レビュー
3.7
19件のお客様レビュー
まさに悪夢のような話が多かった。 一番怖くて好きなのはやはり「黄色い壁紙」。 既に別のアンソロジーで読んだことはあるけど、久々に読んでもやっぱりすごく厭な気持ちにさせてくれる良い作品。 主人公の気持ちが一行ごとに変わっていたり、内面の描写が素晴らしい。 「追われる女」は、オー...
まさに悪夢のような話が多かった。 一番怖くて好きなのはやはり「黄色い壁紙」。 既に別のアンソロジーで読んだことはあるけど、久々に読んでもやっぱりすごく厭な気持ちにさせてくれる良い作品。 主人公の気持ちが一行ごとに変わっていたり、内面の描写が素晴らしい。 「追われる女」は、オーソドックスで日本のとある話ともとても構成が似てるけど楽しめた。 「名誉の幽霊」は、おもしろ怖いという感じでよかった。 「郊外の妖精物語」は、日常の風景と幻想的な話が混ざりあった少し切ない気持ちにもなる話。短いながらもグッとくるものがあった。
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英米女流怪談集だが、ホラーではない。何か狂気めいた話が多い。ギルマンの「黄色い壁紙」は女性の身体的精神的問題を描いた19世紀のフェミニスト文学の草分けらしいが、まさに狂っていく世界を描いている。シンシア・アスキスの「追われる女」はストーカーに付き纏わられ続ける女の話なのだが、これ...
英米女流怪談集だが、ホラーではない。何か狂気めいた話が多い。ギルマンの「黄色い壁紙」は女性の身体的精神的問題を描いた19世紀のフェミニスト文学の草分けらしいが、まさに狂っていく世界を描いている。シンシア・アスキスの「追われる女」はストーカーに付き纏わられ続ける女の話なのだが、これは日本の古典的な妖怪話と同じラストが用意されている。リデル夫人の「宿無しサンディ」も何が起きているのかよくわからないまま話は進む。追い詰められた牧師の恐怖心が作る妄想なのか、偶然なのか、悪魔なのか。怪談の定義って何だろうと改めて思う。おそらくタイトルにある「悪夢」談が正しいのだろう。
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桜庭一樹読書日記で「黄色い壁紙」について触れられていて、興味を持って購入した。 当たり外れのばらつきがかなりあるが、怖い作品はかなり怖い。 正直「黄色い壁紙」は期待していたほど怖くは無かったが、読後殺伐としたものを感じる。 予備知識なくこれを読んだら相当怖いと思う、悪夢を見るほ...
桜庭一樹読書日記で「黄色い壁紙」について触れられていて、興味を持って購入した。 当たり外れのばらつきがかなりあるが、怖い作品はかなり怖い。 正直「黄色い壁紙」は期待していたほど怖くは無かったが、読後殺伐としたものを感じる。 予備知識なくこれを読んだら相当怖いと思う、悪夢を見るほどに。 主人公の女(名前も出てこない)は神経を失調しており、夫は彼女を過保護に扱うのだが、それに反比例して彼女はどんどん病んでいく。 原因は夫婦の寝室の黄色い壁紙。 まずこの壁紙の描写が怖い。 「球根のように垂れた眼球」とか「延々と続く毒茸の列」とか、想像しただけで発狂しそう。 だがそれより怖いのは、日記形式で語られる淡々とした描写。 主人公は夫に感謝しつつも一方で不満を抱き、自分を仕事に復帰させてくれない夫を呪う。 どうもこの日記の記述が矛盾しており、錯乱した箇所も見受けられる。最初はこう言ってたのに、次の行では全く違うことを言ってるとか、それが殆ど地続きなのでもやりとした違和感が残る。 彼女には産まれたばかりの男の子がいるのだが、夫や義妹についてはしつこいほど語られてる反面子供の事は数行しか出てこず、それもお義理で触れられてる程度。 日記形式で綴られているだけに、黄色い壁紙以上に主人公の心理に冷え冷えしたものを感じる。 「蛇岩」も面白かった。こちらは母娘二代にわたるどろどろ愛憎もの。一族にかけられた呪い、岸壁の古城、蛇の形をした奇岩をめぐるゴシックホラー。「です・ます」調の訳が奇怪な雰囲気を出すのに一役買っている。母親が泳ぎに興じる娘を古城の窓から常に監視してるのが怖い。 「名誉の幽霊」のユーモラスな雰囲気も気に入った。こんな楽しい幽霊なら家にいてもいいなあ。
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