トリスタンとイゾルデ 竹書房文庫

ディーンジョーギャリス【脚本】, 佐藤操【編訳】

• 販売会社／発売会社: 竹書房/竹書房
• 発売年月日: 2006/10/12
• JAN: 9784812429099

商品レビュー

2010/06/06

　う～む。これは映画で観るべきですね。

（　↓　以下関連の拙作はブログにて）

「ふたりのイゾルテ」『文鳥列伝』
http://r24eaonh.blog35.fc2.com/blog-entry-218.html
私が飼っていた鳥たちの生涯。トリスタンと名付けた白文鳥の物語です。

『伯爵令嬢シナモン』「第２部　コンウォールの才媛」
レディー・シナモン14歳。最初に解決した事件。伝説、「トリスタンとイゾルテ」の劇中劇にあわせてミステリーが進行します。
　　http://r24eaonh.blog35.fc2.com/blog-entry-35.html

2010/03/13

(2008.11.05読了)
演奏会で、ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」を聴く予定なので、聴く前にどのような話なのか知っておこうと思って、amazonで検索したら、この本が出てきました。
映画のノベライズ版です。このような映画があることも知りませんでした。
実に面白い物語でしたが、「あとがき」を見ると、オペラの「トリスタンとイゾルデ」とは、筋が違うということなので、ちょっとがっかりでしたが、映画のほうを見てみたくなりました。
ブリテン島とアイルランドが出てきますので、映画の舞台は、イギリスとアイルランドになっています。ブリテン島は、多くの部族があり、まとまりがありません。アイルランドの支配下で暮らしているようです。
ブリテン島の統一を図るために部族の代表が集まっているところに、アイルランドが攻めてきて、トリスタンの父アラゴンも母親も殺されてしまう。トリスタンは、マーク領主のカーセバルに助けられたが、カーセバルは、右腕を失った。カーセバルの身重な妻も殺された。
トリスタンは、カーセバルに育てられた。9年たち、トリスタンも一人前の大人になった。
トリスタンたちは、ブリテン人たちからアイルランド兵が徴収した金を奪い返す。
その報告を受けた、アイルランドのドナカー王は、モーホルトを派遣する。モーホルトは、出かける前に、ドナカー王の娘イゾルデを妻にほしいと願った。
モーホルトとトリスタンが戦い、トリスタンが勝った。トリスタンは、モーホルトと戦った際に、浅い傷を負っただけだったが、モーホルトの剣には毒が塗ってあり、トリスタンも間もなく死んでしまった。
トリスタンは、小舟に乗せられ、海に流された。トリスタンの手には、モーホルトの剣を握らせた。（75頁）
小舟は、イングランドに流れ着き、イゾルデが見つける。小舟のそばで砂に埋もれていた男性が見つかった。かなり弱っているが生きている。
男の体の傷から、毒に弱らされているのが分かり、薬草の知識を持つイゾルデによって、治療が施され、元気を取り戻す。
海岸の小屋にかくまわれて、トリスタンは、徐々に健康体に戻ってゆく。
敵同士と知っていながら二人は恋に落ちる。トリスタンは、イゾルデが王の娘であることを知らない。
小舟と剣が見つかり、王が海岸を捜索していることが分かり、トリスタンは、小舟で逃がされる。トリスタンは、ブリテン島に戻る。
アイルランドの王、ドナカーは、ブリテン島の部族の分裂を狙い、トーナメント試合を提案する。勝った部族に、領地と娘を与えるという。
トリスタンは、妻を失い元気のないカーセバルのために、マーク領の代表として、トーナメントに参加し、見事勝利をおさめる。
勝利の褒美として現れたのは、なんとイゾルデだった。褒美は、トリスタンのものではなく、カーセバルのものだった。
イゾルデは、カーセバルの妻になる。トリスタンは、恩義のあるカーセバルを裏切ることなどできない。
結末は、本で確認してください。
（2008年11月12日・記）