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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
| 発売年月日 | 2005/10/25 |
| JAN | 9784103516071 |

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商品レビュー
2.5
4件のお客様レビュー
高樹のぶ子という小説家の書く「評伝」とはどんなものだろう。そんな興味から手に取った一冊。 冒頭からいきなり男と女の話となり、やっぱり高樹のぶ子はこう来るかーと一瞬、興ざめ。だが、読み進むにつれ、なかなか力強い筆致で、小説という手法をとりながら「高島北海」を描き出していたのは楽し...
高樹のぶ子という小説家の書く「評伝」とはどんなものだろう。そんな興味から手に取った一冊。 冒頭からいきなり男と女の話となり、やっぱり高樹のぶ子はこう来るかーと一瞬、興ざめ。だが、読み進むにつれ、なかなか力強い筆致で、小説という手法をとりながら「高島北海」を描き出していたのは楽しめた。 高島北海と同じ時代を生きた人たちを「私」として、オムニバス形式で話を進めていく構成は、最初はとまどったが、これも映画を見ているようで、まずまず。 エミール・ガレと高島得三とのやりとりのなかで、「もののあはれ」について、ガレに説明するシーンがあるが、あれはなかなかよかった。「もののあはれは、生命を愛でる方法」であると。 さらに、ガレの下絵師、ヴィクトール・プリーヴェに、わびさびを説明しているところも、なかなか深かった。「フランスにはもののあはれはない」と、いったんは否定しながらも、ガレの植物の狂気に言及し、「絶えていくものの凄味、あでやかさ」を指摘する。そして、「ここぞとばかりに生命を見せつけることも、ものあはれ」だと論を展開する。「色を抜いた世界と、色や光を過剰に溜め込んだ世界の違いはあるが、壊れていくものの力強さは、色や光の世界の方が大きいかもしれない」と、高樹のぶ子は、高島得三に言わせている。 読み手それぞれで、甲乙をつけるつもりはないけれど、小説というかたちでの評伝としてみると、原田マハのほうが断然、面白いし、心に刺さった。 北海の孫、直二郎と、主人公の矢野沙代子。個人的には、この二人のシーンはなくてもいい。
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幕末から明治という時代は、絵を描くという行為が新しい世界を切り拓いた時代、だったのかもしれない。個人にとって国家にとって、日本を含めたアジア諸国にとって欧米諸国にとって、小さく古ぼけた絵筆のタッチが、大きく新しい世界を表現した時代、だったのだと思う。 この小説を読み終わったと...
幕末から明治という時代は、絵を描くという行為が新しい世界を切り拓いた時代、だったのかもしれない。個人にとって国家にとって、日本を含めたアジア諸国にとって欧米諸国にとって、小さく古ぼけた絵筆のタッチが、大きく新しい世界を表現した時代、だったのだと思う。 この小説を読み終わったときに、日経新聞のコラムを見つけた。「オイレンブルグの江戸遠征」。アメリカ、プロイセンの従軍画家として3度も訪日を果たしたヴィルヘルム・ハイネの話。画家として自由に創作をしながら、日本を感じ理解し、帰国後は内相としてビスマルク内閣に影響を与えた可能性について記されていた。 国境を越え技術や文化が行き交った激動の時代を支えたのが、一人の画家の繊細な筆遣いだった、なんて想像したら何だかワクワクする。それは昔に限らない、今でも変わらない普遍的な、現代を生きる人間が時代と向き合う際のひとつの姿勢なのかもしれない。 幕末から明治の激動期、官僚として画家として生きた高島北海。その生涯の描写と並行して、その子孫である男と、その物語を書く女の現代の生活の営みも描かれる小説。 一画家として限界を感じていたはずの、官僚としての高島北海が、逆に晩年は画家としての人生を歩むことになったきっかけの描写が面白い。生と死に向き合った深刻な場面なのに、どこかしら爽快感がある。拘りを捨て重荷を降ろしたような軽さ。それが現代を生きる男と女が、前に進んで行くために必要な足取りの軽さのように思えてくる。 小さな絵筆のタッチが大きな時代を動かしたように、日々の何気ない言葉や行動が、目の前にある未来を切り拓いていくのかもしれない。
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作家の沙代子は、高島北海の評伝を書こうとしている。北海の曾孫の直二郎と不倫している。 小説は、沙代子が直二郎と取材しながら、評伝を書いていく様が描かれている。直二郎自信も取材の対象だ。 その様子の合間合間に、書いた評伝が挟まっているので、頭の切り替えが必要。 話しとしては、淡々と...
作家の沙代子は、高島北海の評伝を書こうとしている。北海の曾孫の直二郎と不倫している。 小説は、沙代子が直二郎と取材しながら、評伝を書いていく様が描かれている。直二郎自信も取材の対象だ。 その様子の合間合間に、書いた評伝が挟まっているので、頭の切り替えが必要。 話しとしては、淡々と進むのであまり面白くないが、植物の絵が好きな人には、多少興味を引かれる部分があるかも知れない。最後に近くなって、少し謎解きが面白くなる。 なお、小説の最後になっても、評伝は完成しない。
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