ICタグのすべて しくみ、技術から生産・流通での運用まで

井上能行(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本実業出版社/日本実業出版社
• 発売年月日: 2004/07/01
• JAN: 9784534037695

商品レビュー

2008/06/02

ICタグ（RFID)の話は時々新聞で見るものの、バーコードの改良版で物流に使われているというぐらいの認識しかなかった。こういう話題を扱う本にしては古い（4年前）が、技術面から応用面、問題点まで広くカバーしてあって、面白かった。例えば、衣類にタグが付くようになれば、洗濯機がこれを読み取って最適な洗い方で洗ってくれたり、食品であれば冷蔵庫の中身がドアに一覧表示されて賞味期限を調べられたりレシピを提案してくれたり、生活面でも大きく変わりそう。一個数円のものを一億個売ったところで数億にしかならないのに、なぜ日立がこんなに頑張っているのか、というのも常日頃感じていた疑問だったが、タグ自体では儲けようと思っていないらしく、リーダーやサーバーのシステムの売り上げに期待しているんだとか。このへん、ゲーム機やインクジェットプリンタのメーカーがシステムやハードで赤字覚悟、消耗品やソフトで儲けようとしているのとは逆で面白かった。・技術的には、多数のタグを一気に読み取るため、アンチコリジョンという、同時処理を避けて順次処理するための方策の話が目を引いた。また、アンテナに対してタグの向きが垂直になっていると読み取れなかったり、改良すべき点も多々あるようだ。規格の面でも日・米・欧それぞれに電波の空きが違っているため、どの周波数を使うかという問題があるうえ、コード体系としても米国のEPCという規格を押し付けられそうなんだという。・多くはパッシブ型だが、アクティブ型の中には通常は感じられないほどにビルが微細に振動していることを利用して発電する（0.12μWだが、それで十分）タイプもある。

2005/08/16

微細電波送受信装置が世界を変え、３０兆円市場になる。近い将来、人を含めすべての物に装着されるだろう。最後はモラルの問題が･･･。