レヴォリューションNo.3

金城一紀(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川書店/角川書店
• 発売年月日: 2005/04/20
• JAN: 9784048736008

商品レビュー

2025/07/26

先日、シリーズ最新作が10年振りに出たので、久しぶりに再読。
忘れていた部分と思い出した部分とが綯い交ぜになり、相変わらずの疾走感とシリアスとユーモアとが楽しかった。

落ちこぼれ学校の落ちこぼれ男子高校生たちが巻き起こしたり巻き込まれたりする事件を描く。

女子校乱入事件に笑い、「史上最弱のヒキを持つ男」山下への友情にホンワカし、ストーカー被害に遭う女子大生のボディーガード話にハラハラし、と様々なタイプの話を楽しめた。
高校生離れしたアギーや舜臣のキャラクターを時に心強く感じる一方で、彼らの環境をこれでもかと突きつけられる場面もある。
男子高校生らしいバカバカしさの一方で、突然の病で苦しむ友人も描かれる。
猿島のような、如何にもな脳筋教師もいれば、ドクターモローのような面白い教師もいる。
様々な読みどころがあり、あっという間に読めた。

『君たち、世界を変えてみないか?』

ドクターモローの言葉から始まった彼らの冒険は、彼らのその後の人生も変えたのかも。
南方はこの頃から探偵タイプだったなと改めて思う。

2025/03/13

1998年に本作でデビューされた金城一紀氏の作品。後に2000年には直木賞も受賞されています。エンタメ色の強い、楽しい青春小説でした。

・・・
皆さんはどういう高校生でしたでしょうか？

私はというと、6年間もきったない校舎に閉じ込められていた、という感じです。生徒も全員男。先生も全員男、ゆえに女子便すらなかった。いや、正確に言うと、半地下の階段横にひっそりとあった（3名ほどいた事務員のおばちゃん用）。

まあとにかく、野郎臭はんぱない学校。

部室を覗けば、『阿李猫達（アーリーキャッツ）』と落書きがあり、かつての不良のパイセン達の荒ぶる様子もうかがえる。

夏休み明けの教室には、食べたままのカップラーメンが湖面をたたえたかのようなスープと共に机の上に鎮座し、運動部が忘れて行ったタオルなども数枚床に散乱。
まあとにかく、乱雑な雰囲気の学校だったことを思い出します。

・・・
学生当時は嫌で仕方なかったし、クソだダメだと文句を言っていたものの、今思えば良い思い出。懐かしさ、ない。

そして、本作はそういう自由で乱雑で、時に向こう見ずでアホ、そんな青春な高校生たちが活写されています。

メインは、「ゾンビーズ」なる底辺校のアホ集団がそれぞれの特徴を生かして近所のお嬢様女子高の学園祭に潜り込むことに心血を注ぐという筋。読者の一部には、あー俺も学園祭に行ったなあと胸を熱くさせた御仁も多いのではないでしょうか。

それ以外にも仲間の死や暴力などもあるのですが、あからさまなセクシャルな描写はなく、アホかつ健全な作品であったと感じました。

・・・
ということで金城氏の作品、お初でありました。

まとめて数冊買ったので今後も少しずつ読み進めて参ります。

2024/06/10

私に読書の楽しさを教えてくれた本！！！！！

中学生の時、友人からお勧めされて読んだ思い出の本です！
この本に出会ってなかったら、今の私はないでしょう！！！！
初めて読み終えた時はビックリしました！
漫画やアニメを観たかのようにザ・ゾンビーズの仲間たちとの様々なシーンが頭に残ってるんですから！！！！
いや、漫画、アニメ以上に強烈に私の心に残ったんです。映像で！！！

私は文字を読んでいたはずなのに、なぜ？！？？！とかなりビックリしたのを覚えてます。

あれから何度か読み直して、また気が向いて読んでみました。
１０年以上ぶり3、4回目かな？

中学生時代はどっぷりハマった文章だったけど、ちょっと青臭く感じたり
携帯電話や公衆電話というワードに時代を感じたり
暴力はだめよと母目線で心配したり
やっぱりヒロシのエピソードが辛いなぁと思ったり

次はいつ読むのかな。
子供が読める頃になったらまた読もうかな！