地球交響曲第三番 魂の旅

龍村仁(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川書店/
• 発売年月日: 2003/06/30
• JAN: 9784048838160

商品レビュー

2013/04/11

魂の形、って言うのかな？

もしかしたら、とても良く似た形の人が此の世にはいるんじゃないか？
外見に惹かれるとか、
才能に惹かれるとか、
そういう類の憧れとかじゃなく、

同じ絵のパズルを完成させる為の、それぞれが一個のピースであるかの様な。

私は地元にある、三内丸山遺跡が大好きで、良く出掛ける。
およそ、５０００年前の縄文時代の集落跡で、
当時の墓や住居など、様々な施設が、広大な敷地に悠然と復元されており、現在も発掘作業が続いている状況だ。

そこにいる私は、『今』でしか無いし、『過去』とは到底関わり合えないけれど、
不思議と、時間の概念とは一体なんだっけ？
と、ど忘れしてしまうミラクルな場所なのだ。

尊敬する写真家の星野道夫さんが亡くなる二週間前、
著者と星野さんが、
映画『地球交響曲』の制作の為に、

ここ『三内丸山遺跡』を訪れる約束をしていた、と言うエピソードの中で

「ウン、僕もずっとその事を考えていたよ。早く訪れたい、と思っていたんだ。」
と、の星野氏の言葉は、私の胸を熱くさせた。

更に
何故、三内丸山なのか、を話し合う必要は全く無かったと言うのは

二人の

「僕達のなかに眠っている５０００年、一万年の記憶が蘇るような映画にしたい」と言う思いが一緒だったから、だそう。

もしかすると
死ぬまで眠りから覚めない恐れはあるけれど

この胸の奥底に、
永遠を生きている『記憶』が潜んでいるのか？

それらが、懐かしい香りや言葉の響きを感じた時に、
ぴくっ、と示す反応が、私の場合三内丸山で起こっていたのだろうか？

そんなばかげた話をしても、
星野さんや著者なら笑わず受け止めてくれるような、
そんな安堵感に読書中、ずっと包まれていた。

2013/01/15

「自分の生命は自分をはるかに超えた大きな生命の繋がりの中で生かされている」抜粋
星野道夫氏の亡き後、出会う人々。
ボブサム、ナイノア、森のイスキアの佐藤初女。
まさに、繋がるべくして繋がってゆく様が記録されている。
大切なことは然るべき時に明らかになる、学ぶべきものが多い一冊。

2010/11/02

最近の星野道夫本に続いて読み進めた一冊。
彼の本によく出てくる友達が、亡くなった道夫を語る。彼への想いが心にしみる。数万年の時を超越したヒト・自然への世界観が、私の縮こまった心を開放してくれる。

それにしても、世界有数の科学者であるフリーマン・ダイソンが「私が持っているあらゆる科学的知識を検証してみて、この宇宙にはなんらかの”意思”がある、と考える方が科学的なのだ」という一言はどういうことなのか。
次に読み進めるべきは、ダイソンか。。。