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いわゆる「BLUE騒動」の発端となった象徴的作品(1992年発行)。これを”有害図書”だと決め付けた教育委員やPTAの人たちは文盲であるとしか思えない。セックス描写を単に「卑猥」「汚らしい」としか感じることが出来ない精神性のほうこそよほど低劣である。 そういった社会的影響を抜きに...
いわゆる「BLUE騒動」の発端となった象徴的作品(1992年発行)。これを”有害図書”だと決め付けた教育委員やPTAの人たちは文盲であるとしか思えない。セックス描写を単に「卑猥」「汚らしい」としか感じることが出来ない精神性のほうこそよほど低劣である。 そういった社会的影響を抜きにしても、この短編集は山本直樹にとってひとつの画期であろうか。”森山塔”から本名の”山本直樹”名義で作品を発表し始め、活躍の場を一般の青年誌に移しつつあった時期の短編集でもある。バブル経済崩壊直前の世相も感じさせつつ、青春の痛みを真摯に描いた「なんだってんだ7Days」や、疲れたサラリーマンが夜の街で出会ったメルヘン「ヒポクリストマトリーファズ」など、佳編が並ぶ。
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