1,800円以上の注文で送料無料

BLUE の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/10/04

いわゆる「BLUE騒動」の発端となった象徴的作品(1992年発行)。これを”有害図書”だと決め付けた教育委員やPTAの人たちは文盲であるとしか思えない。セックス描写を単に「卑猥」「汚らしい」としか感じることが出来ない精神性のほうこそよほど低劣である。 そういった社会的影響を抜きに...

いわゆる「BLUE騒動」の発端となった象徴的作品(1992年発行)。これを”有害図書”だと決め付けた教育委員やPTAの人たちは文盲であるとしか思えない。セックス描写を単に「卑猥」「汚らしい」としか感じることが出来ない精神性のほうこそよほど低劣である。 そういった社会的影響を抜きにしても、この短編集は山本直樹にとってひとつの画期であろうか。”森山塔”から本名の”山本直樹”名義で作品を発表し始め、活躍の場を一般の青年誌に移しつつあった時期の短編集でもある。バブル経済崩壊直前の世相も感じさせつつ、青春の痛みを真摯に描いた「なんだってんだ7Days」や、疲れたサラリーマンが夜の街で出会ったメルヘン「ヒポクリストマトリーファズ」など、佳編が並ぶ。

Posted byブクログ