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蟹塚縁起
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蟹塚縁起

梨木香歩(著者), 木内達朗

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蟹塚縁起

定価 ¥1,430

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 理論社/
発売年月日 2003/02/01
JAN 9784652040232

蟹塚縁起

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商品レビュー

4

26件のお客様レビュー

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2024/08/27
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蟹塚縁起 独り身の小作農のとうきちは名主の息子の蟹に対しての殺生諫めたため、名主に大切な牛を取り上げられてしまいます。その夕方蟹たちは押しかけ女房となってとうきちの世話を焼きにきますが、とうきちはそれも断ってしまいます。その夜、たくさんの蟹たちが名主の家に向かって行列を作るのですが。 夜の闇にほのかに浮かび上がるような木内氏の絵に添えられた、とうきちの前世の物語を交えた幻想譚。蟹たちの律儀さによってとうきちの前世のうらみは昇華されます。 囲炉裏端ででも聴きたい物語であります。 竹蔵

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2022/10/19

絵 木内達朗 助けた蟹が恩返。農民とうきちは,敵の罠にはまり惨殺される前世(武将)記憶が蘇る。因縁相手との対峙。「その恨みを手放さぬ限り」(六部言葉)月光と蛍群の描写が幻想的で美しい。

Posted by ブクログ

2022/07/15

「これが蟹塚の由来です。」 情緒ある、どこか懐かしい絵と、梨木さんの静かで、それでいて感情をゆさぶってくる文章と物語が、心に染み入って染み入って、喘いでしまう。 とても素晴らしい絵本だ。 簡単に言うと、このおはなしは蟹版鶴の恩返しのようなもので、それをいくえにも発展させ深みを増...

「これが蟹塚の由来です。」 情緒ある、どこか懐かしい絵と、梨木さんの静かで、それでいて感情をゆさぶってくる文章と物語が、心に染み入って染み入って、喘いでしまう。 とても素晴らしい絵本だ。 簡単に言うと、このおはなしは蟹版鶴の恩返しのようなもので、それをいくえにも発展させ深みを増しに増した、短いながらも読み応えのある、切なくも美しいむかしばなしである。 物語の主人公は、両親を失くして独り身の男・とうきちである。 夜、枕の下でざわざわと音がして目が覚めたとうきちは、不思議な蟹の行列を見る。 その行列を見る前の昼、とうきちは名主の息子が沢蟹を無惨に殺して遊んでいるのを見かけやめさせたのだが、名主の息子は自分の残酷な行いを伏せ、蟹を奪われたと父親に言いつけ、怒った名主が報復に来たことを思い出した。 まさかこの蟹たちは名主の家に行くのでは…… また、過去に旅の六部(おそらく仏教で66箇所の霊場を行脚する僧のことだろう。作中ではりくぶと振り仮名が打ってあった)は、とうきちに、とうきち自身の前世の話をしていた。 話の最後に六部は、…あなたがその恨みを手放さぬ限り…と謎の言葉も残していった。 このとうきちの前世の話がどう蟹の話に繋がるのか? 読みながら疑問に思っていたが、その繋がりが分かった時、大きく心が揺さぶられた。 そのラストは幻想的で美しく儚く……… 切なさなのか悲しさなのか感動なのか、いろいろな感情がごちゃまぜになって、しんみりと涙をこぼしそうになる。なんとも愛おしい物語。 業と許し。 もう、ぜひとも読んでほしい。 そしてハッピーエンドなので安心してほしい。 いや、ハッピーエンドという単語だけでは言い表せないのだが。 声に出して読み上げたくなるような、梨木さんの美しい日本語にも浸ってほしい。 さて、絵についてだが、油絵なのかな?とても味わいのある、私の大好きなタッチの、美しい絵だ。 面白いのがその描写。 物語には冒頭をはじめ、蟹の行列の描写が文に幾度も出てくるのだが、目を凝らして見てみても蟹の行列の絵は一切描かれていない。 そして人物たちの描写も、はっきりと表情や顔つきを描かず、淡い輪郭で描いている。 蟹が人間の女の姿になって、とうきちに恩返しにくる場面があるのだが、その女の描写もとてもぼんやりとしている。 その淡い描き方に、絵本を読んでいながら、蟹の行列はどのようだったのだろうなどと想像力を掻き立てられる。 その反面、唯一どっしりはっきり描かれる一匹の沢蟹をアップで描いた一枚は、鮮明で力強く、非常に目を引く。惹きつけられる。 とてもこの物語と相性のいいと言うか、ベストマッチ、な描き方をされているのだ。 そんな木内さんの絵もぜひ堪能してほしい。 最後に。 なぜタイトルが蟹塚縁起なのだろう?と思い、縁起という言葉について調べてみた。(蟹塚については物語を読めばわかるので) よく「縁起を担ぐ」などと言うが、縁起はそもそも仏教における真理を表す一つの言葉・因縁生起の略なのだそう。 そして現在使われるなかで、縁起にはものごとの起こりという意味があるという。 この物語の「縁起」は、そちらの意味だと思われる。 蟹塚がなぜ起こったかその由来は。 長い長い因縁の、始まりと終わりのおはなし。 この物語はそういうお話なので。 …改めて素晴らしいタイトルだなぁ。

Posted by ブクログ

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