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ジャズ トニ・モリスン・コレクション
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
| 発売年月日 | 1994/11/30 |
| JAN | 9784152078858 |
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ジャズ
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商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
リズム感が楽しかったけど、物語は……難易度高すぎて、めげた。 時間軸はあちこちにとぶ。視点もあちこちに飛びまくる。さらに極めつけは、幼少期の名前が別……なのか? お手上げです。笑っちゃうくらい、物語が頭の中で繋がらない。リズム感が良くて単語は入って来るのに、物語としてとどまってくれない。なので、解説を読んで物語を理解した。解説、ありがとう。解説で理解するって邪道だと思うけど、読むのに時間かかったのに、何も残らなかったの、自分でもびっくり。 トニ・モリスン作品は黒人差別の話で、ここでも黒人差別の事件が取り上げられているし、状況が書かれているけれど、物語がわかりづらいので読み取りが難しかった。 というわけで、物語の説明。 『ジョーという50歳男が十八の娘ドーカスに恋をして、付き合うようになるが別れられずに殺す』という事件が軸になっている。ドーカスの葬儀でジョーの妻ヴァイオレットは彼女の遺体を傷つけようとして止められ、その後、ドーカスを育てた伯母やドーカスの友人と交流を持つようになり、ジョーとの関係も徐々に変わっていく……。 それぞれの過去も書かれていて、ジョーは孤児で母親も父親も不明。ヴァイオレットは母親が死に父親は放蕩もの。厳しい祖母に育てられた。ドーカスは親を殺されている。ドーカスを育てた伯母は男に捨てられた。 登場人物それぞれが、心に傷を持ち、それらの話が行ったり来たりしながら語られるので追いつけない。さらに、ゴールデン・グレイという謎人物まで出てくるけど……これ?だれ?何?ジョーの幼少期の名前?ん?違う? そして、一番の難題は語り手の『わたし』……。 あなたは誰??と思いながら読み終えても誰なのかがわからない。『シティ』と思えばいいのだろうか。『作者(神視点)』と思えばいいのだろうか。難解すぎるのは訳のせいなのか、原文も難解なのか。 部分的には読めるし、楽しいのだけど、全体を通すと難しい部分が多すぎて、めげる。 気になった部分。 『赤い唇と、絹のきらめく力。彼女たちが征服され、貫通される権利と引き換える力。彼女たちのそばの男たちは、それを愛している。』197p すごいな。貫通される権利なのかと思って読んでしまった。女性蔑視がこんな明確に書かれてると逆に楽しくもなる。もちろん、そういう時代というだけの話だけど、現代日本もこの価値観からまだ抜けてない気がしてしまう。 『ジョーは、けっして気にかけなかった。ジョーは、わたしがどんな種類の女であってもかまわない。かまうべきだ。私は気にする。わたしは人格を持ちたかったし、アクトンと一緒にいるとそれができかけている。』205p ドーカスの語りシーン。ジョーとの事を誰にも言えない(不倫と歳の差のせい)のも嫌だったし、ジョーが自分の全てを自由にさせるのも嫌だったと。同年代のアクトンは、あれしろこれしろと指示して来て、気にかけてくれるから好き。彼にあわせて自分を変えたいし、変わる自分が好きだという。 男で変わる女……可愛くはあるし、時代も含んでいるのだろうけど、それを『人格を持っている』と表すのもすごいなと思ってしまった。気にかけてくれたら人格を持っている(自分が形作られていく)。自由にしたら、気にかけてない=自分で自分を作れない(人格を持ってない)ということなのかな。 『わたしは、ニグロを何人か殺して捕まった白人警官の記事を読んだので、捕まってよかった、そういう時代なのよね、って言ったの。』213p ドーカスの友人フェリスが自分の父親に言った言葉。新聞の話をしたら話題を共有できるかと思ったのに、父親は「その話が新聞に載ったのは、それがニュースだからだ」とどなりつけてきた。これも黒人差別を含んでいて、『人を殺した警官が捕まる』のは当たり前のはずなのに、それまでは『黒人を白人警官が殺しても捕まらなかった』という事実があるので、子どもの安易な「そういう時代なのよね」言葉にも怒鳴りつけたくなるほどの怒りがわいたってことなんだろうな。時代ではないし、それまでが『狂っていただけだ』という正当な怒りだけど、それを何も知らない子どもにぶつけるのは、どうなのかとも思う。もちろんそれだけ『余裕がない』『何も知らない子どもが愚かだ』ということなのかもしれないけど。 細かい部分で見ると素敵な要素は多々あるのだけど、全体を通してみると難解すぎ。 ごちそうさまでした。
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