小説 秦の始皇帝 ハルキ文庫時代小説文庫

津本陽(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川春樹事務所/
• 発売年月日: 2002/06/18
• JAN: 9784894569812

商品レビュー

2010/05/28

海内荒れ狂う中国大陸…

[文庫ＯＦＦ]

海内荒れ狂う中国大陸に、一人の男が生を享けた。血族の謀略に身を起こし、始皇帝を名乗る男の名は政。獣の如き欲望が目論む世界征服をつぶさに描く、大英雄伝。

2010/05/28

中国の歴史でもかなり…

[文庫ＯＦＦ]

中国の歴史でもかなり有名な人物。かなり極悪なイメージもあったが少し変わった。

2023/08/19

津本陽『秦の始皇帝』（角川春樹事務所、1999年）は秦の始皇帝を描いた歴史小説。李信や王せんら『キングダム』のキャラクターが登場する。

古代中国の商人の道徳では飽食を否定する。「飲食の贅沢をせず、欲望を節制し、粗服をまとい、使用人たちと苦楽をともにしてはたらく」（23頁）。贅沢な飲食を避けることが奨励された。質素な生活態度を持ち、浪費を避ける姿勢を示すものである。自身の生活様式を控えめにし、物質的な贅沢を追求しないことが重要視された。質素な服装を好み、高価な服飾品や派手な装飾を避けることが奨励されした。外見の華美さを重視せず、内面的な質素さや謙虚さを大切にする姿勢を反映している。

韓非は冤罪で殺される。法家思想は支配者にとって都合の良い思想である。中国の法治主義が西洋の法の支配と異なるところである。法の支配のように権力者の恣意を法で支配するという思想がない。しかし、韓非子を読むと君主や大臣の恣意を戒める主張が出てくる。秦が韓非を重用していたら、秦は過酷な官僚制とは別のものになったのではないか。

焚書坑儒でも冤罪が登場する。儒学者が尋問を受けると自分は逃れようとして、他人を無実の罪に陥れた（217頁）。これによって冤罪が生まれた。