「母性」の叛乱 平成犯罪事件簿

別役実(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2002/02/25
• JAN: 9784120032523

商品レビュー

2011/08/29

歴史に残る殺人を紐解きながら、何故そうなったのか思考していく。タイトルの意味は、父性が完全になくなった家庭を、唯一支えていた母性も「もう一人で抱えるのは嫌だ！」と投げた結果の事件らしい。

2006/10/25

「社会学を学びたい」そう思った契機のひとつが、別役さんのこの本を読んだことである。

ある事物における真実とは唯一ひとつのように思われる。しかし、別の視点から見ればそれは全く違う世界になる。
人々が見る視点とは別の方向から社会を見ることで、何が見えるか。それは新たな真実または、現代社会が迷い込んだ迷路を抜ける手掛かりかもしれない。

平成犯罪事件簿…この本では現代社会において発生した誰もが知る事件を、一般に流布する視点とは別の視点から考察する。

情報化社会と呼ばれる現在、すべてが情報として受信される今、我々は出来事を出来事として体験出来なくなってしまった。自らの体で感じ、心に刻むこと。「人間らしい」この当たり前の体験を、今こそ大切にしなければならないだろう。