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侍女の物語
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 1990/03/20 |
JAN | 9784105225018 |
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侍女の物語
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商品レビュー
4.7
10件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと読みたかったし、読むべきだと感じていた作品。ようやく。 率直なところ、ページを捲りながら思ったのは「予想より怒りも嫌悪感も湧いてこない」ことだった。これにはちょっと自分でも驚いた。当然、ディストピア小説なので理不尽、それしかない。ただ、それがあまりに「ありえなさすぎて」かえっておとぎ話のようにすら思えてしまった。肌の露出も自由も徹底的に排除されあくまで生殖のための器でしかない、女性たち。どうしても自分は現実世界のとある文化圏を想起したけど、まさしくその人々に対する心象そのままに、遥か遠く思えた。 しかし、今考えるとそれは遅効性の毒で、自分で気づかぬうちに全身に回り切っていたらしく、十二章”イザベルの店”あたりでは吐きそうなほどの嫌悪感を覚えた。 特筆すべきは司令官の気持ち悪さ。心底嫌い。はじめ「オブフレッド」と密会するあたりでは性交を求めるわけでもなく理解があるほうなのかなんて思ったが、とんでもない。どこまでも女性を、人を馬鹿にし見下し道具としか考えていないクソ野郎。それでいて自分は寛容だと信じていそうで虫唾が走る。そんな現実にも腐るほどいる生生しさに、遠かったはずの醜悪さが、ついに息がかかるほど近くに来てしまった、感覚。 こうしてひとたび、彼女と「接続」したような気になると(理解できるなんて口が裂けても言えない)、悲しさと怒りでどうしようもなかった。 序盤にはあれだけ距離を感じていたのに、終章の”歴史的背景に関する注釈”では、分析している学者たちの呑気さに金属バットをブンブン振り回しながら飛び込んでいきたい気持ちにすらなった。私のどこにもそんな資格はないのに。 この小説が古びず、遠い過去(あるいは未来)の話ではなく自分事として多くの人に読み継がれていることは、ひたすらに悲しい。 こんなに長々と書き散らしながらこの本から受け取ったものを一ミリも表現できない自分が情けなさすぎるけど、、ずっと心にあり続ける本だとそれは間違いなく思った。
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上野千鶴子先生がNHKの100分で名著で言及されていたのをきっかけに、フェミニズム文学であること以外ほとんど前情報なく読み始めた。 近代の家父長制の中で苦しめられる女性の物語かと思ったら近未来ディストピアSF小説としてまずとても面白く、半分近くから止まらなかった。衆人環視のなか罪人の処刑が行われたり、その死体が壁に吊り下げられているというGOTのようなファンタジーの中の中世的な世界観という思わぬポイントで引き込まれた。 しかし女性が自由と尊厳を奪われて生む機械としてのみ扱われる描写の一つ一つはリアルな恐怖として感じられた。実際に、イランではスカーフを外した沢山の女性が殺されているし、中東の国々には名誉の殺人も残っている。アフガニスタンは女子学生の通学と就労を禁止している。日本も例外ではなく、女性は結婚すると実質的に改姓を強要され、子供を産むことと大学進学をトレードオフにするような政策が進んでいる。「侍女の物語」が今生きている世界と地続きだと感じざるを得ない。 このような本が30年以上前に出版されたことに驚く。 全ての人が読むべきだと思う。
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BBCの番組で作者マーガレット・アトウッドのインタビューを観てから、彼女の作品が気になっていた。というよりも、彼女の強い目が気になって、あの人は一体どんな作品を書いているのだろうと気になった。 意外なほどにSF小説の雰囲気が強かった。過去にあったかもしれない事実を創作したのかと思って読み始めたら、近未来の話。近未来と言うと車が空を飛んだり、異星人と遭遇する、というだけではないのだなと新たな世界が開けた。 置かれていた境遇から逃げ出した(と思われる)主人公がどうなるのか、それは『誓願』を読めばわかるのだろうか。
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