1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

ゴドーを待ちながら ベスト・オブ・ベケット1

サミュエル・ベケット(著者), 安堂信也(訳者), 高橋康也(訳者)

お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する に追加 に追加する

定価 ¥2,200

¥1,045 定価より1,155円(52%)おトク

獲得ポイント9P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 1990/10/20
JAN 9784560034965

ゴドーを待ちながら

¥1,045

商品レビュー

4.1

22件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今年に入ってから何回か『ゴドーを待ちながら』というタイトルを耳にすることがあり(GEBでも出てきたような)、これは今年読むべしということだなと思い、手を取りました。 私のイメージする戯曲まさにという感じで、これは少なくとも読める英語でチャレンジすべしです。 エストラゴン(ゴゴ)とヴラジーミル(ディディ) 読了後の感想、それから久しぶりにSparknotesやらを見た感想としては、高橋康也の解題が一番しっくりくるサマリだと思っている。すなわち、 『ゴドー』に接して、人はむしょうにおしゃべりになりたがっている自分を見出す。…テクストの内部に自己矛盾の隙き間を見つけて、そこから作品を腑分けし、脱構築しようとしても、実は全篇これ隙き間で成り立っていることを悟られるのである。…急いで断っておくが、議論や解釈がむだというのではない。無数の解釈が生まれ、すれちがい、ゆらめき、消尽されてゆく、その過程がまさにこの作品を観たり読んだりする経験の実体にちがいないのだ。だから、解釈はたぶん多いほどいい。それだけ、すれちがいのエネルギー、ゆらめきのゲーム、消尽のスリルが大きくなる理窟だから。 そもそも表題がそうだ。「ゴドー」を「ゴッド」のもじりと解して、神の死のあとの時代に神もどきを待ちつづける現代人、その寓意的肖像画の画題がここにある。ーこの解釈が抗しがたい誘惑力をもつことは事実だが、同時に、口にするのも気恥ずかしいほど陳腐なのも確かだろう。それに、神の死といったとき、話はあまりにキリスト教的に限定されすぎてしまうのではないか。… まさに!!読みながらこれはあれそれを指し示しているのか、テーマはモチーフは、と分析するのも楽しいが、1954年に出版された、現代のこの劇が、そんなにシンプルにまとめられるものなのか、というのも同時に強く感じるわけで。 なおSparknotesでは Estragon and Vladimir want so desperately to have a sense of purpose in their lives that they fully commit to waiting for Godot, whom they believe will save them, to arrive. This innate need for purpose serves as the play’s central conflict, although Beckett emphasizes throughout that their goal is impossible to achieve. These differences from Act One suggest that humankind can never truly understand the world around them due to the influence of chance, or randomness. The bleak tone of the falling action, which features Estragon and Vladimir committing to wait the following day, finalizes Beckett’s ultimate argument that human experience is meaningless and suffering is inescapable. 全体的に人間や人生の不条理さ、不毛さを読み取る、"王道解釈"で、勿論WWIIの後なのだからその要素も強くある。一方で、果たしてそれだけ、とも2024年の私は思ってしまうのだが、それは平和ボケのせいだけなのか。信じられていた人類の知性・理性などは自分の生まれる前に崩壊し、混沌の時代と言われ続けている中で自我が芽生えた身としては、そもそもの前提がそんなものだともいえるわけで、やはり今の時代を切り取る言葉、詩や歌、劇、表現、思想、といったものが、この後生まれてくるのだろうか? なんにせよ、面白かったです。

Posted by ブクログ

2022/01/31

ひとまず思ったことを書くのが大事だと思ったので書くけど、読み返したら変わる気がするし、なにを語っても正しいという気はしない、というか正しさを求めるものでもない(というこの言説すら正しさを規定する姿勢からは逃れられないのだけれど、キリがないのでやめにする)。小説三部作を読んだあとだ...

ひとまず思ったことを書くのが大事だと思ったので書くけど、読み返したら変わる気がするし、なにを語っても正しいという気はしない、というか正しさを求めるものでもない(というこの言説すら正しさを規定する姿勢からは逃れられないのだけれど、キリがないのでやめにする)。小説三部作を読んだあとだからというのもあって、あれらの小説とこの戯曲とが響きあってそれぞれに対して新しい視点を得たように感じた。なにかのために語られるのではなくただ言葉を繋ぐために語られる言葉たち、という小説三部作(特に『名づけえぬもの』)に顕著だった特徴はこちらにも見受けられ、しかしそれが身体の接触や暴力を導くさまは、まさしく演劇に固有の広がりといえる。言葉と身体という切っても切れない関係は、決して論理的で整然としたものとしては描かれない。そう思うと今度は、小説三部作のほうに語りの問題ばかり見出してしまったけれど、もっと身体にも気を配るべきだった、などと思う。そうしてやっぱりあの小説群とこの戯曲を切り離して考えられないのだとすると、ゴドーというのは意味なのだと思った、いや、でもこれは陳腐で安直でいかにも文学部一年生ふうな解釈の気もする。正直海外のいわゆる名作というのはそれこそ文学部的(もう卒業してずいぶん経つのに)な教養として手に取ることが多く、読んでもあんまり面白いと感じないこともあるけれど、ベケットはほんとうにどれもめちゃくちゃに面白いと感じるので、ベケットが血肉とした過去の神話、戯曲、小説、思想にも触れてから、また何度でも読み直したいと思った。

Posted by ブクログ

2016/09/10

【印象】 不在がもたらす想像の美化と渇望の純粋化。 男2人が未だ訪れない救いを木の下で待ちわびる話。 【類別】 戯曲。 悲喜劇的。 【脚本構成】 二幕構成。 【表現】 認識能力に関するなんらかの大きな欠落を持つ人物らのみの視点で会話が為されていくため、鑑賞者が欲する情報の諸...

【印象】 不在がもたらす想像の美化と渇望の純粋化。 男2人が未だ訪れない救いを木の下で待ちわびる話。 【類別】 戯曲。 悲喜劇的。 【脚本構成】 二幕構成。 【表現】 認識能力に関するなんらかの大きな欠落を持つ人物らのみの視点で会話が為されていくため、鑑賞者が欲する情報の諸々は明かされないまま物語が進んでいきます。 【備考】 底本としては1952年の仏語初版が主に用いられています。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品