商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
勉強になった。 小説としては非常に笑えるが、ところどころしょうもない。 ポスト構造主義が一番面白かった。僕が、思想的立場を取りたがらない冷笑主義的な人間だというのもあるが。
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唯野教授のコミカルで少し下品なお話と“教授”らしい大学での真面目な講義の2つのストーリーが展開される作品。目次を見る限りは講義がメインのように思えるが、どちらかというと講義の間にドタバタ喜劇がある感じだ。あっ、逆かも。ドタバタ喜劇の合間に講義があるのかも。 私は理系なので文系の...
唯野教授のコミカルで少し下品なお話と“教授”らしい大学での真面目な講義の2つのストーリーが展開される作品。目次を見る限りは講義がメインのように思えるが、どちらかというと講義の間にドタバタ喜劇がある感じだ。あっ、逆かも。ドタバタ喜劇の合間に講義があるのかも。 私は理系なので文系の講義は体験したことがない。でも、こんな劇のように面白おかしく話をしてもらえるのなら受講していて飽きないだろうなと思う。本格的に文学や批評をしている人には物足りないのかもしれないが、素人の私にとっては何かを分かって気にさせてくれた講義だった。これからの読書をさらに良いものにできそうだ。 あっ、あくまでもこれは感想だからね。批評じゃないよ。そんな畏れ多いことできないし。
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ベストセラーなのでいまさら何をか云わんなのですが一応粗筋を書くてぇと、とある大学の唯野教授周辺の大学内政治のありさまをコミカルに書く一方で、印象批評からポスト構造主義までの文芸批評論を網羅できるという学術小説です。学内政治パートと唯野教授の講義で二度楽しめるといった具合に考える...
ベストセラーなのでいまさら何をか云わんなのですが一応粗筋を書くてぇと、とある大学の唯野教授周辺の大学内政治のありさまをコミカルに書く一方で、印象批評からポスト構造主義までの文芸批評論を網羅できるという学術小説です。学内政治パートと唯野教授の講義で二度楽しめるといった具合に考えるといいのではないかと思います。 文芸批評のさしあたったアウトラインを押さえられるので、ここから各方面、興味の向きに合わせて深化していけばいい。 文藝評論、えー学術。志す人にはふたつの方向性があって、最先端を切り開く人と、逆にどんどんどんどんとふもとの方に向かって、切り開いたものを分解していく人って、あると思うんです。これは「評論」というジャンルに携わる人間における「適正」と「興味」の問題でして、このふたつの極に同時に存在すると云うことは原則的にありえません。先駆者は切り開くことで精一杯だし、分解者は要素を把握して分解するので手一杯になるであろうからです。 本文にもあるんだけど、評論家の云っていることに反論できない作家が対抗策に一杯勉強して反論したので評論化がさらに難しいことを云うようになった、というあたりは、この『文学部唯野教授』を取り巻く感想とか批評の本質をつかんでいるなぁと思ったのです。あたらしい、革新的な理論を求める人にとって「分解」の作業というのは、そんなものわかりきっているから「本に中身がない」という批判が生じてくる。「衒学的だ」という批判も出てくる。 んだけれどもね、まったくの素人がだんだんとその道に入っていく状況において、しったかぶりでも「衒学おじさん」だの「面白おかしい学術小説」がどれだけありがたいか、という話なんだよねぇ。 記号論からはじめる構造主義入門の書として、いいんじゃないかと思います。 これだけ読んで満足しちゃうと心もとない気はしますけど。
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