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アメリカ 角川文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川書店 |
| 発売年月日 | 1972/01/01 |
| JAN | 9784042083054 |

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商品レビュー
4.2
13件のお客様レビュー
難解と言われるカフカ…
難解と言われるカフカの作品の中で、わりと読みやすい作品です。「城」や「審判」のような恐ろしいさもなく、カフカに珍しく平和な作品です。そうは言っても、アメリカ上陸時やエレベーターボーイの仕事における不条理な事件は、やはりカフカ的な魅力を備えています。
文庫OFF
カフカの「孤独の3部作」最後の作品である。 ドイツから追い出された純朴な青年が、アメリカを放浪するロマン小説。落ち着く先が見つかっても、不条理に追い出され続ける青年。しかし、それでも青年は希望を捨てなかった。 青年が未知の土地を冒険する小説はいくらでもあるだろうが、この作品は...
カフカの「孤独の3部作」最後の作品である。 ドイツから追い出された純朴な青年が、アメリカを放浪するロマン小説。落ち着く先が見つかっても、不条理に追い出され続ける青年。しかし、それでも青年は希望を捨てなかった。 青年が未知の土地を冒険する小説はいくらでもあるだろうが、この作品は異質だ。未完なのである。しかし、未完という事実が読者の想像力を豊かにし、本作が名作であることを確固たるものにしている。
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審判、城に続く、孤独三部作。 審判や城では、手探りで何も見えない大きな機構や仕組みに取り残された、閉鎖空間に閉じ込められた叫びが感じられた。その一方で、このアメリカは、そういうところから離れてどこかのびのびとしているような気がする。 どちらかと言えば、偶然に偶然が重なって、システ...
審判、城に続く、孤独三部作。 審判や城では、手探りで何も見えない大きな機構や仕組みに取り残された、閉鎖空間に閉じ込められた叫びが感じられた。その一方で、このアメリカは、そういうところから離れてどこかのびのびとしているような気がする。 どちらかと言えば、偶然に偶然が重なって、システムの中を漂流し続けなければならない、そういった類のものであると感じられる。行く先々で、システムに溶けこもうとするも、ちょっとした縺れからすぐに異分子として爪はじきにされてしまう。どこまでいっても、この広大なアメリカという土地では、カールは異邦人でしかない。 転々としていくだけでは、おそらく書いていて辿りつく場所が見えなかったのだと思う。漂流に漂流を重ねても、カールがカールであることに変わりはないし、いくらでも漂流先を変えることで、引き延ばすことができる。おそらく、船や叔父の家、ホテルや奇妙な共同生活だけでなく、カフカの中には、徒弟や政治家秘書といった、多くの漂流先が用意されていたに違いない。漂流なんて、ちょっとしたことがきっかけで決まるし、行った先のことは行った時に考えればいいだろうから、わざといくつかのスケッチを残しただけで筆を置いたのだろう。 この作品では、漂流というものがある種、独特の不条理さを生んでいる。漂流先が決まるのも、漂流が決まるのも、偏にカールの望んだものではない。ヘッセのの漂泊の旅は、基本的にしたくてしているものだが、このカールの漂流は、望んだわけでも、望まれたわけでもない。ちょっとした行き違いや誤解、そういうものによって転がり落ちていくような、そんな感じ。しかも、シェイクスピアのように強い思惑があってのズレではなく、ほんの些細なズレによるところが大きい。何気ない行動のひとつがいとも簡単に、漂流の種となってしまうのだ。びっしりと描かれたカールの行動のいきさつや様相も、簡単に、数行の出来事の後には、漂流へとなってしまっている。その緩急の使い分けが、閉鎖空間にあっても冗長さを感じさせないのかもしれない。漂流するとは、追放されることだが、追放されても、いつまでもふらふらしてるわけではなく、辿りつく先は、これまた意図せずちょっとしたことで決まってしまう。「たまたま」、そういうことばが最もよく似合うのが、カールの漂流であると思う。 終盤のサーカスの場面は、明らかに審判や城の様相を呈している。やはり、カフカにとって、未知なる閉鎖空間というテーマは外せなかったものなのだろう。残念ながら、閉鎖空間の最初の部分だけでその不可解さや複雑で不条理なものはわずかしか描かれていない。けれど、わずか数十ページで城や審判同様の設定を敷いているあたり、スケッチや思考実験としての機能をこの作品は果たしていたのかもしれない。
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