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日本とは何か 近代日本文明の形成と発展 NHKブックス500
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会/ |
発売年月日 | 1986/05/01 |
JAN | 9784140015001 |
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日本とは何か
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商品レビュー
3.3
6件のお客様レビュー
本書はコレージュ・ド・フランスでの5回の講義を中心とした日本文明論である。非常にわかりやすい。日本は明治維新後、西洋を模倣することで近代化に成功した・・・といわれることが多いが、江戸時代のあいだに日本は近代化への準備が十分におこなわれていた。西洋の産業革命を参考にはするものの、日...
本書はコレージュ・ド・フランスでの5回の講義を中心とした日本文明論である。非常にわかりやすい。日本は明治維新後、西洋を模倣することで近代化に成功した・・・といわれることが多いが、江戸時代のあいだに日本は近代化への準備が十分におこなわれていた。西洋の産業革命を参考にはするものの、日本独自の技術や考え方とうまく組み合わせていった。極東の日本は西洋諸国と並行して文明を発展させていたのだ。「文明の生態史観」として1960年代にこうした考えが発表されたとき、戦後の劣等感にさいなまれていた日本人には大きな勇気を与えたようだ。しかし、残念ながら70年代に私が学んできた学校教育において、日本はさるまねが上手で、ヨーロッパの思想や技術をまねることで近代化してきたと思わされていた。梅棹先生の本を何冊も読むなかで、いまでは本書で述べられている考え方は私としては常識になっているのだが、一般的にはどうもそうではなさそうな気がする。最近の論説を読んでいても梅棹先生を参照しているものは少ないように思う。民博関係者以外では、安田喜憲先生くらいだろうか。考え方が独特すぎるのだろうか。著書も、著作集としては手に入ったとしても、もっと安価な文庫本で、すべてがそろうようにしておいてほしいものだ。若い人たちがもっともっと読み継がなければいけないものだと思う。
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こちらも日本論を読む一環で選択したもの。当然著者の名前は知っていたが,読む機会はなかった。しかし,本書が掲げるのは日本文化ではなく「日本文明」である。そのことは1992年に出版された西川長夫『国境の越え方』では特筆されていなかったが,1998年出版のテッサ=モーリス・スズキ『日本...
こちらも日本論を読む一環で選択したもの。当然著者の名前は知っていたが,読む機会はなかった。しかし,本書が掲げるのは日本文化ではなく「日本文明」である。そのことは1992年に出版された西川長夫『国境の越え方』では特筆されていなかったが,1998年出版のテッサ=モーリス・スズキ『日本を再発明する』では特に意識して「文明」に1章を割き,バブル終焉期の1990年にこぞっていくつかの「日本文明論」が登場したという。本書は1980年代のもので,『日本を再発明する』のなかでも直接の検討対象にはなっていないが,1990年代の日本文明論に大きな影響力を持っているという。 序にかえて:ニューヨーク,パリ,ポートランド,そしてヴァンクーヴァー Ⅰ 日本文明の座標 Ⅱ 日本文明の位置 Ⅲ 近代日本文明の形成と発展 Ⅳ 日本文明の歴史的連続性――伝統社会とハイテク社会 Ⅴ コレージュ・ド・フランス出講記 付 梅棹先生の素顔――コレージュ・ド・フランス随行記(小川 了) 解説 梅棹文明学をめぐって(米山俊直) この手の日本論は多少斜に構えて読んでしまうが,本書は特にⅢ章を非常に興味深く読んだ。Ⅲ章は歴史を遡って,現代から明治,江戸,中世と検討していく。その歴史的知識の豊富さに驚かされる。著者はもともとモンゴルやアフガニスタンをフィールドとする民族学者だったという。まあ,はじめからある意味で反ヨーロッパ的ではあったのだが,ヨーロッパ中心主義的な歴史観を脱するために,「日本文明論」を持ち出す。日本文化は他の文化との横並びではなく,優劣の序列の最高点に立つヨーロッパ文明と,日本文明は肩を並べるほどの優位性を持つというような主張へと結びつく。 著者によれば,一般的に日本は明治維新以降に文明開化といってヨーロッパ文明を積極的に取り込むことで近代化を遂げ,ヨーロッパ文明を基礎とする世界のなかで先進諸国の仲間入りを果たすというものである。それに対し,著者はユーラシア大陸の西の端のヨーロッパと東の端の日本は,大陸中央の乾燥地帯によって隔てられ,長い歴史で交流がないまま似たような発展を遂げたという。どちらにも封建制があるというのがその大きな根拠だという。確かに,明治期にはヨーロッパから多くのものを吸収するが,それ以前に日本は近代化の道を歩みつつあり,そのベースがあって,ヨーロッパ的なものを取り込みやすいものにしたという。 本書に他の日本文化論と共通する部分があるとすると,Ⅳ章の内容だろうか。日本がかつてから持っていたものと,現代手に入れたものとが共通性を持っているのであれば,それは外見が変わっても「日本的なもの」は普遍的に息づいているということになる。 本書は著者がさまざまな国から招聘されて行った講演や連続講義の内容をまとめたものであり,それらの事情に関してもかなり詳しく説明されている。著者が多くの言語を読み書きレベルで習得しながらも,ヨーロッパ言語での会話能力はほとんどなかったというのは驚く。しかし,通訳を付けてでも,特にフランスで彼の研究を聴きたがる人がいたというのはやはりすごいことなのだと思う。
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著者がアメリカのジャパン・ソサエティやコレージュ・ド・フランスでおこなった、日本についての講演・講義を収めています。 著者の主著である『文明の生態史観』(中公文庫)は、しばしば「日本論」として読まれてきました。しかし、『文明の生態史観』の中には、世界の文明史を生態学的な視点から...
著者がアメリカのジャパン・ソサエティやコレージュ・ド・フランスでおこなった、日本についての講演・講義を収めています。 著者の主著である『文明の生態史観』(中公文庫)は、しばしば「日本論」として読まれてきました。しかし、『文明の生態史観』の中には、世界の文明史を生態学的な視点から考察したものであり、「日本論」を書くことを意図したのではないと述べられています。それに対して、『文明の生態史観』の構図に基づいて日本の文明史的位置を主題的に展開したのが本書に収められている講演です。 著者はユーラシア大陸を、中国・インド・ロシア・イスラムの「第一地域」と、その外側に位置する西ヨーロッパと日本の「第二地域」に区別します。ユーラシア大陸の中央を走る乾燥地帯には遊牧民がおり、第二地域には彼らによる侵略が及ばないなど、共通の生態学的特徴が見られると論じられます。そして、そのような第二地域でのみ、近代化への動きが生まれたと著者は主張し、日本の歴史とヨーロッパの歴史の間に「平行進化」が認められることを主張しています。
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