新・不思議の国ニッポン 在日フランス人の眼

ポールボネ【著】

• 販売会社／発売会社: ダイヤモンド社/
• 発売年月日: 1986/06/12
• JAN: 9784478940594

商品レビュー

2014/11/03

30年前のニッポンについて知りたくて読書。

経歴不明な著者、検索すると90年代半ばにすでに帰国したとあるが、日本人ではないか思われる文体（翻訳本？）と鋭い視点が新鮮。

今、日本では戦後の日本人を美化するような風潮が強まっている。
韓国人や中国人と比較して日本人は…みたいな感じだろうか。

これを見ると1980年代の日本人の海外での行動は、今の韓国人と似ているなと思う。団体行動好き。騒ぐうるさい。面子重視で海外の有名ブランドを買い漁る。飲みもしない高額洋酒を空港で買う。

アジアでの日本人駐在員の差別的な態度、行動もあった時代で、売春ツアーなども盛んにあり日本人に対して悪い心象を持つ人も少なくなかった時代。

この頃と比べると日本人は、多少国際化、成熟したんだと思う。最近、耳にするようなおもてなしの精神や優れたサービス、環境問題、食の安全、事件、事故など日本の過去を美化して、中国、韓国を批判するのは日本にとって利点があるのだろうか。

サービスの概念なんて一般的には20年前には希薄だっただろうし、国鉄や郵便局などは当然ながら、民間企業の対応もひどかった。また、トイレもつい十数年前までは劣悪な環境だった。

そんな今からでは信じられない数々の痛い経験や情況をを経て今の成熟した平和な日本があるという日本現代史をもっと謙虚に学ぶ必要があるのかもしれない。

旧社会党の成田を巡る一貫性のない行動は激しく同感。恥を知れと思う。現在も続く成田でのパスポート確認、成田闘争は優先度を上げて解決させて、成田空港に3本目の滑走路でも作って欲しい。仁川国際空港への対抗は羽田だけでは足りないと思うし。

今、著者が日本にいたらどんな感想を持つのか興味深い。

読書時間:約1時間15分