友だちは1/2ゆうれい フォア文庫

中田よう子(著者), 時すばる

• 販売会社／発売会社: 金の星社/
• 発売年月日: 2001/11/24
• JAN: 9784323090191

商品レビュー

2013/09/19

しげるはいつも「うん」と返すからうんちゃん、と呼ばれる、気の弱い小学四年生。ある日記憶をなくした、透けた体―ゆうれい―の男の子・ユウと出会う。ユウのなくした記憶を取り戻すのを手伝ってほしいと頼まれたしげると、ユウを知った世話焼きの女の子ゆかりは手掛かりをあたっていくけれど――ユウとの日々を通してちょっとずつ変わっていくしげる。皆と遊びたくて、ゆうれいになんかなりたくないと思うユウ。一体ユウの正体は……

調べてみたら97年に刊行されてるのか。昔からよく見かけてた児童書でうちの小学校にもあったと思うんですが、最近は昔読みたかったけど結局読んでない本を読もう強化月間なのか、これも読んでみることにしました。今でも課題図書とかになってるみたいで本屋さんでも見かけますね。
この本は友情を描いてるんだろうけどユウ・しげる・ゆかりの微笑ましい三角関係が可愛かったな。恋のめばえみたいなのを書いてる感じがするなあ。ケンカのシーンとか、野球のシーンとか良かった。ユウの「ゆうれいなんかになりたくない」にはじわっときました。あとしげるの成長譚として見てもいいよね。こういう、のび太くんタイプの落ちこぼれがちょっとずつ皆と仲良くなっていったり変わっていったりするのに弱いんです。
オチはありがちだけどこういうの好きだわ～　昔の、小学生の頃の私が読んだらどう思うかな。これからどうなっていくのかなっていろいろ想像しちゃうね。文庫版の解説の「しっかり立ち止まり、見えないものを見通す大切さを、本当に生きるってどんなことかを伝えてくれる」がこの物語の序盤に既に登場する重要なテーマをピタリと書き当てています。