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ソーネチカ 新潮クレスト・ブックス
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ソーネチカ 新潮クレスト・ブックス

リュドミラウリツカヤ(著者), 沼野恭子(訳者)

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ソーネチカ 新潮クレスト・ブックス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2002/12/20
JAN 9784105900335

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ソーネチカ

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商品レビュー

3.6

60件のお客様レビュー

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2024/03/31

主人公は本の虫で容貌が冴えないソーネチカ。彼女が後に世界的な画家となるロベルトに見初められて結婚し、貧しい生活の後、夫ロベルトが芸術家として成功し始めた頃、一人娘の友達ヤーシャが現れて…という筋立てだが、これをよくできた女性、幸せな女性と称揚するのはちょっと抵抗があるというか、ど...

主人公は本の虫で容貌が冴えないソーネチカ。彼女が後に世界的な画家となるロベルトに見初められて結婚し、貧しい生活の後、夫ロベルトが芸術家として成功し始めた頃、一人娘の友達ヤーシャが現れて…という筋立てだが、これをよくできた女性、幸せな女性と称揚するのはちょっと抵抗があるというか、どこかで見た、「頭大丈夫?」という感想のほうがしっくりくるな、とは思う。ただ、なんとなく捨て置けないような気もするのも確かなのだ。ソーネチカが幸せな結婚生活を送ったペトロフスキー公園近くの家は、特に必要もなく住民は立ち退かされて、荒れ放題に荒れている。ソーネチカは、なじまないリホボールィのアパートで、夫なき後の長い孤独な余生を本の世界に耽溺しながら過ごす。これは、何かのメタファーなのだろうか。

Posted by ブクログ

2024/02/10

シェル・シルヴァスタインの絵本『大きな木』(りんごの木が望まれるまま少年に実も枝も幹も与える。最期には切株となっても、老いたかつての少年に対して、疲れた体を休めるために座りなさいといって身を差し出す)で描かれる「無償の愛」は、母性や巣立っていく子供への包容力として広く受け入れられ...

シェル・シルヴァスタインの絵本『大きな木』(りんごの木が望まれるまま少年に実も枝も幹も与える。最期には切株となっても、老いたかつての少年に対して、疲れた体を休めるために座りなさいといって身を差し出す)で描かれる「無償の愛」は、母性や巣立っていく子供への包容力として広く受け入れられているのでしょう。 それでは、本書のソーネチカの愛は? 17年連れ添った夫に裏切られて、さらにその相手は娘として何くれとなく世話を焼いている若い女の子です。 “あの人のそばに、若くて、きれいで、優しくて、上品なあの子がいてくれたらこんないいことはない。人生ってなんてうまくできているんだろう。老年にさしかかったあの人にこんな奇跡が起こって、絵の仕事に立戻らせてくれたなんて。” 強がりではなく、その後も奇妙な擬似家族としてソーネチカは2人に愛を注ぎ、夫の死後も女性の生活を支え続けていくのです。 一時の悲しみや空虚を感じても、ここに嫉妬や怒りはない。とても受け入れられないという反発の声が聞こえそうです。 2つの愛の間には、どのような違いがあるのでしょうでしょう。 自らの分身である子供に対しては愛は幾ら注いでも目減りしないけれども、パートナーに対しては与えたものを自らにも与えて欲しいと願うという立場でみると、ソーネチカの愛は成立しない。 ここは他人に与え与えられる“愛の分量”で幸福か不幸かが決まるのではなく、自らを自律的に幸せにすることができる内面の豊かさを持つ稀有な人してソーネチカを捉えた方がいいのかもしれないと思うのです。 受忍を美徳とし、家族に尽くすことに自らの価値をみいだす前時代的な女性の一生として本書を読むことや、ソーネチカを無垢な心をもつ聖なる愚者の系譜とすることは、どちらにも違和感があります。 相手の幸せのために自らを犠牲にするといった依存性は彼女にはありませんし、幸福の物差しが彼女独特のものとはいえ、慎ましくとも自らを幸せにするために、彼女は行動していきます。 一つ思うのは、夫と出会ったときのソーネチカは図書館の臨時貸し出し係でした。彼女は貴重な書物を、資格のない夫に対して権限もないのに自らのカードを使って貸し出します。 個人所有されることはなく、隔たりなく素晴らしい世界に触れて分かち合う。そんな図書館の書物は、ソーネチカの愛や幸福を表しているようだなと感じるのです。

Posted by ブクログ

2023/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やせぎすのっぽの本の虫、ソーネチカの一生を書く小説。山あり谷ありの人生の中でもソーネチカは常に「自分はなんて幸せなんだろう」と幸せをかみしめている。それは娘の友達の孤児を家に迎え入れ、彼女と夫が不倫していることに気づいても変わらないのである。さすがにショックは受けるが、それまでと変わらず孤児を娘同然の扱いをし、夫にも何も言わない。むしろ、この事件が夫の絵の意欲を燃え立たせてくれたことにまた幸せをかみしめるのだ。 ここまでくると忍耐強さや性格という問題ではなく、異常さを感じるレベルなのだが、不思議と嫌な感じはない。ソーネチカは誰かや運命を恨んだりしないし、悲しまないし、ただ淡々と幸せを感じながら日々を送るのみだからだろうか。こうやって抑圧を無視するようにして生活を続けるのは、いかにもロシアっぽい気もする。 レアとラケルになぞらえて、ソーネチカをうつくしいレアと形容する部分には光を感じた。そう、レアは別に境遇に甘んじてはいなくて、ラケルと争って子どもを産んでいたわけだからね。でもそれが普通であって、ソーネチカの行動や物事の捉え方には人を超えた、まさに「神の恩寵」とでもいうべきところがある。誰もがそうあるべきでもないが、それを目にした人間は畏怖の念を禁じ得ない、というような。不思議な読後感の小説だった。

Posted by ブクログ

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