1,800円以上の注文で送料無料

ソーネチカ の商品レビュー

3.6

64件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2026/01/22

人に依存せず、自分で自分を満たすことのできる人。 自分の置かれた環境や不誠実な行いに対して怒り声をあげることは大切なことだけど、どんな状況の中でも小さな幸せを見出せること、自分の判断軸を持っていることは、とても強く美しいと思った。 ソーネチカの物語に私の心も満たされた。

Posted byブクログ

2025/04/10

常に『従』の位置にいるソネーチカが最もひとを見る力があって、しかも誰より幸福であった。物語は重い展開なのに読後感がよい。

Posted byブクログ

2025/01/03

静謐な一生。不幸を幸せに変えて淡々と生きるソーネチカの姿に感服。夫の裏切りを許し,少女を夫のミューズとして優しくするのは信じ難い。凡人には真似できない生き方。

Posted byブクログ

2024/10/16

インターン先のお姉さんに教えてもらったので読んだ。ソ連の中にもユダヤ文化があり、ウリツカヤ自身もユダヤ系ロシア人というアウトサイダーとして生きてきたというのは全く知らず、勉強になった。 作品の随所でいわゆる規範的な性のあり方からはみ出る様子がみられ(ターニャとヤーシャの関係であっ...

インターン先のお姉さんに教えてもらったので読んだ。ソ連の中にもユダヤ文化があり、ウリツカヤ自身もユダヤ系ロシア人というアウトサイダーとして生きてきたというのは全く知らず、勉強になった。 作品の随所でいわゆる規範的な性のあり方からはみ出る様子がみられ(ターニャとヤーシャの関係であったり、ヤーシャとロベルトの関係であったり)批評を読みたいところだが、本の虫であったソーネチカが結局は夫に一体化してしまい、自分の気持ちを語ることなく、皮肉にも子どもの頃愛読していたツルゲーネフの世界に懐古的に没入するしかないというのがあまりにも悲しい。

Posted byブクログ

2024/03/31

主人公は本の虫で容貌が冴えないソーネチカ。彼女が後に世界的な画家となるロベルトに見初められて結婚し、貧しい生活の後、夫ロベルトが芸術家として成功し始めた頃、一人娘の友達ヤーシャが現れて…という筋立てだが、これをよくできた女性、幸せな女性と称揚するのはちょっと抵抗があるというか、ど...

主人公は本の虫で容貌が冴えないソーネチカ。彼女が後に世界的な画家となるロベルトに見初められて結婚し、貧しい生活の後、夫ロベルトが芸術家として成功し始めた頃、一人娘の友達ヤーシャが現れて…という筋立てだが、これをよくできた女性、幸せな女性と称揚するのはちょっと抵抗があるというか、どこかで見た、「頭大丈夫?」という感想のほうがしっくりくるな、とは思う。ただ、なんとなく捨て置けないような気もするのも確かなのだ。ソーネチカが幸せな結婚生活を送ったペトロフスキー公園近くの家は、特に必要もなく住民は立ち退かされて、荒れ放題に荒れている。ソーネチカは、なじまないリホボールィのアパートで、夫なき後の長い孤独な余生を本の世界に耽溺しながら過ごす。これは、何かのメタファーなのだろうか。

Posted byブクログ

2024/02/27

シェル・シルヴァスタインの絵本『大きな木』(りんごの木が望まれるまま少年に実も枝も幹も与える。最期には切株となっても、老いたかつての少年に対して、疲れた体を休めるために座りなさいといって身を差し出す)で描かれる「無償の愛」は、母性や巣立っていく子供への包容力として広く受け入れられ...

シェル・シルヴァスタインの絵本『大きな木』(りんごの木が望まれるまま少年に実も枝も幹も与える。最期には切株となっても、老いたかつての少年に対して、疲れた体を休めるために座りなさいといって身を差し出す)で描かれる「無償の愛」は、母性や巣立っていく子供への包容力として広く受け入れられているのでしょう。 それでは、本書のソーネチカの愛は? 17年連れ添った夫に裏切られて、さらにその相手は娘として何くれとなく世話を焼いている若い女の子です。 “あの人のそばに、若くて、きれいで、優しくて、上品なあの子がいてくれたらこんないいことはない。人生ってなんてうまくできているんだろう。老年にさしかかったあの人にこんな奇跡が起こって、絵の仕事に立戻らせてくれたなんて。” 強がりではなく、その後も奇妙な擬似家族としてソーネチカは2人に愛を注ぎ、夫の死後も女性の生活を支え続けていくのです。 一時の悲しみや空虚を感じても、ここに嫉妬や怒りはない。とても受け入れられないという反発の声が聞こえそうです。 2つの愛の間には、どのような違いがあるのでしょうでしょう。 自らの分身である子供に対しては愛は幾ら注いでも目減りしないけれども、パートナーに対しては与えたものを自らにも与えて欲しいと願うという立場でみると、ソーネチカの愛は成立しない。 ここは他人に与え与えられる“愛の分量”で幸福か不幸かが決まるのではなく、自らを自律的に幸せにすることができる内面の豊かさを持つ稀有な人してソーネチカを捉えた方がいいのかもしれないと思うのです。 受忍を美徳とし、家族に尽くすことに自らの価値をみいだす前時代的な女性の一生として本書を読むことや、ソーネチカを無垢な心をもつ聖なる愚者の系譜とすることは、どちらにも違和感があります。 相手の幸せのために自らを犠牲にするといった依存性は彼女にはありませんし、幸福の物差しが彼女独特のものとはいえ、慎ましくとも自らを幸せにするために、彼女は行動していきます。 一つ思うのは、夫と出会ったときのソーネチカは図書館の臨時貸し出し係でした。彼女は貴重な書物を、資格のない夫に対して権限もないのに自らのカードを使って貸し出します。 個人所有されることはなく、隔たりなく素晴らしい世界に触れて分かち合う。そんな図書館の書物は、ソーネチカの愛や幸福を表しているようだなと感じるのです。

Posted byブクログ

2023/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やせぎすのっぽの本の虫、ソーネチカの一生を書く小説。山あり谷ありの人生の中でもソーネチカは常に「自分はなんて幸せなんだろう」と幸せをかみしめている。それは娘の友達の孤児を家に迎え入れ、彼女と夫が不倫していることに気づいても変わらないのである。さすがにショックは受けるが、それまでと変わらず孤児を娘同然の扱いをし、夫にも何も言わない。むしろ、この事件が夫の絵の意欲を燃え立たせてくれたことにまた幸せをかみしめるのだ。 ここまでくると忍耐強さや性格という問題ではなく、異常さを感じるレベルなのだが、不思議と嫌な感じはない。ソーネチカは誰かや運命を恨んだりしないし、悲しまないし、ただ淡々と幸せを感じながら日々を送るのみだからだろうか。こうやって抑圧を無視するようにして生活を続けるのは、いかにもロシアっぽい気もする。 レアとラケルになぞらえて、ソーネチカをうつくしいレアと形容する部分には光を感じた。そう、レアは別に境遇に甘んじてはいなくて、ラケルと争って子どもを産んでいたわけだからね。でもそれが普通であって、ソーネチカの行動や物事の捉え方には人を超えた、まさに「神の恩寵」とでもいうべきところがある。誰もがそうあるべきでもないが、それを目にした人間は畏怖の念を禁じ得ない、というような。不思議な読後感の小説だった。

Posted byブクログ

2023/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不思議な本 体形に影響するほど本好きな主人公、ソーネチカ。 ソーネチカは本の虫だったという書き出しから、 本好きな人のちょっと特殊な一生の話かと思っていた。 が、本は夫と知り合うきっかけだったにすぎず、 結婚後は、本とは一切関係がなくなった。 本の次は、夫と子供に集中するソーネチカ。 さまざまな生活の苦労は尽きなかったが、 二人の世話をすることで幸せをいっぱい感じていた。 最後には、娘の友達で、行き場のなかった女の子を 家に住まわせる。 そして、その娘は夫の愛人となって、 夫とその娘は二人で住むことになり、 ソーネチカは一人で家に住むことになるのだけど・・ 老いた夫が若くて美しい女性と愛し合えることは 彼にとってとてもしあわせだ、ということで、 ソーネチカはそれは幸せだと結論づける。 三人で公的なパーティにも出かける。 そんなソーネチカに対して、夫も愛人も優しい。 誰も無理せずに、幸せな気持ちでいられる。 って、普通だったら、何なのコレ?って 異議申し立てをしたくなるような内容なのだけど エ~!? マジで?!と思いながらも、 素直に、自然に、読めてしまう不思議さ。 いったいこれはどういうことなのでしょうか? 語り口、表現の効果なのですよね? 不思議な、不思議なものがたり。 以上が一読後の感想。以下は読書会後の感想。 「白のモチーフ」ということが語られた。 夫の愛人となったヤーシャ=白さについて p.102 「ロベルト・ヴィクトロヴィチ(夫)はたえまなくヤーシャの白さについて思いめぐらせる。」 「(ヤーシャの)顔は白の極致、あたたかさのきわみ、活気のきわみであり、大事な色調の源でもあって、あらゆるものがここから生まれ、育ち、遊び、そして「死の白」と「生の白」の神秘について歌いだすのだった。」 以前はただ恋に盲目になったロベルトの戯言と感じたが もっと深い意味があるのかも、と思った。 ここから「白」についての記述が目立つし・・。 ロベルトが死んだ後、 ヤーシャは若くてハンサムで金持ちのフランス人と結婚 娘のターニャは数ヵ国語を使いこなす国際的キャリアウーマンでシングルマザーとなり、 ロベルトの白い絵は世界中で大ブレークし、 そして、ソーネチカは「甘く心地よい読書の深遠」に戻っている。 ソーネチカはロシアの大地と厳しい自然とともに 変化をそのまま自然に受け入れているということを 強く感じるようになった。 そして、「白」で象徴されているのは 人生の新たな局面への変化ではないかと思った。 ヤーシャが白というのは、ヤーシャの出現によって ロベルトも、ソーネチカも、新たなフェイズへと変化したことを示したのではないか・・ ソーネチカはヤーシャによって 夫との生活を終わらせ、 再び愛する「読書」の世界にもどってきた。 ただフェイズが変わって、自分のしあわせも変わった。 人生にはいくつかのフェーズがあって そのそれぞれで、自分らしいしあわせをみつける それが『ソーネチカ』の世界だったのかも・・

Posted byブクログ

2022/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 この本で注目されるのは、試練を乗り越えるソーネチカのそのやり方だ。私には到底共感できるものではなかったけれど、拒絶したいとは思わなかったのが不思議だった。  そして、本好きであるソーネチカの一面が垣間見えるのも魅力的だった。  恋の痛手を負った13歳。夫ロベルト・ヴィクトロヴィチがヤーシャと関係を持っていることを知った後。自分達の家が取り壊されることになり、新居で1人過ごさなくてはならなくなった時…。  その時々で、ソーネチカは作り物の世界に身を委ねる。あの常人離れしたモノの捉え方もここから来ているのだろうか?  また全体として、ソーネチカの一生が、淡々と、ゆったりとした時の流れを感じさせるように語られており、心穏やかな読後感を味わえる貴重な体験だった。

Posted byブクログ

2022/03/22

当たり前の生を描いた物語なのだが、はじめは強烈な違和感がある。ソーネチカが自分の置かれた状況をひたすらに受け容れて、自然に生きてゆく。しかも、それを幸せに感じている。娘の同級生に夫を奪われているのに、夫の精神に活力を与えたこの少女に感謝すらする。とても理解が追いつかない。家族とい...

当たり前の生を描いた物語なのだが、はじめは強烈な違和感がある。ソーネチカが自分の置かれた状況をひたすらに受け容れて、自然に生きてゆく。しかも、それを幸せに感じている。娘の同級生に夫を奪われているのに、夫の精神に活力を与えたこの少女に感謝すらする。とても理解が追いつかない。家族というものに対する考え方の違いもあると思う。それでも、考えれば考えるほどに、ソーネチカという女性の揺るぎない大きさに圧倒される。読み終えて、自分が狭量に思えるほど。まあ、物理的にも大きいと思うのだが……(笑)

Posted byブクログ