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梁石日(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会/
発売年月日 1994/12/20
JAN 9784140052037

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商品レビュー

4.5

2件のお客様レビュー

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2014/09/06

御世話になっているラーメン屋の大将が、もろに本書の主人公の息子さんだそうで、というご縁で出会った一冊。 かつて千数百人が働きアジア一と言われた大阪造兵廠は、終戦のたった一日前に起こった大阪大空襲で壊滅する。この焼けただれた地表を掘り起し鉄を捌いたコリアンコミッティは、警察との衝...

御世話になっているラーメン屋の大将が、もろに本書の主人公の息子さんだそうで、というご縁で出会った一冊。 かつて千数百人が働きアジア一と言われた大阪造兵廠は、終戦のたった一日前に起こった大阪大空襲で壊滅する。この焼けただれた地表を掘り起し鉄を捌いたコリアンコミッティは、警察との衝突から人口構成を徐々に変え、全国のあぶれ者の行き着く先へと変容して行く。 こうした動きの中で、北朝鮮送還の運動が活発化。しかし実際にはコリアンコミッティの出身者を不当に抑留する等、勢力分散の手段の実行としてなされた。 胸の鼓動や血液の温度を感じるような、生きる事への執念を素地に、人権とは具体的に何かを、刻み付けるように考えさせられた。

Posted by ブクログ

2011/03/12

 ゼミの研究で一時期、自分のテーマにしようと考えていた大阪造兵廠跡地を舞台とした作品。当時の資料はあまり残されていないと思っていたら、まさかの梁氏の小説でこと細かに描かれているではないか。出会えてよかった。  内容は良い意味で、相変わらずの梁石日節。生々しく、人間の生活が描かれて...

 ゼミの研究で一時期、自分のテーマにしようと考えていた大阪造兵廠跡地を舞台とした作品。当時の資料はあまり残されていないと思っていたら、まさかの梁氏の小説でこと細かに描かれているではないか。出会えてよかった。  内容は良い意味で、相変わらずの梁石日節。生々しく、人間の生活が描かれている。彼の作品を読んでいると始めはその生々しい描写に目を覆いたくなるのだが、徐々に描かれているこれこそが「真実」であり背いてはならない「リアリティ」なのだと思い直すようになる。  だからもっと大勢の人に彼の作品を手にとってほしい。この小説に限っては、特に大阪の人間に読んでほしいと願う。現在ライブやイベントが頻繁に行われ、清潔で明るい印象しか持たない大阪城公園界隈の歴史を、大阪で生きる私たちは知っておかなければならない。  せっかく得た知識を活かすためにも、これから個人的にこの土地の研究をしてみようと思う。

Posted by ブクログ

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