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訪問者(文庫版) 小学館文庫
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訪問者(文庫版) 小学館文庫

萩尾望都(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 1995/08/10
JAN 9784091910141

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商品レビュー

4.4

48件のお客様レビュー

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2022/09/21

もうね、とんでもない傑作ですよ。志賀直哉の『暗夜行路』なんて、捨てちゃいなさい。かわりにこの『訪問者』を教科書に載せたらいい。その前にまず、閣僚はみんな読んで、原稿用紙10枚以上の感想文提出のこと(女性閣僚は『イグアナの娘』で)。(長山靖生「萩尾望都がいる」256p) 実際、『...

もうね、とんでもない傑作ですよ。志賀直哉の『暗夜行路』なんて、捨てちゃいなさい。かわりにこの『訪問者』を教科書に載せたらいい。その前にまず、閣僚はみんな読んで、原稿用紙10枚以上の感想文提出のこと(女性閣僚は『イグアナの娘』で)。(長山靖生「萩尾望都がいる」256p) 実際、『訪問者』を読むと、たいていの父親は泣きます。中学生以下の息子がいる父だと百発百中。(同257p) 萩尾望都は、やっと親離れが出来始めたと感じた80年代から親子問題を描き始めます。(『メッシュ』『半神』『イグアナの娘』『残酷な神が支配する』)「訪問者」はその最初の作品です(1980)。「トーマの心臓」(1974)でひとり大人びた雰囲気で、トーマとは違う方法でユリスモールを守り、でも自らはギムナジウム校長の実子であるという葛藤を抱えていたオスカー・ライザーの、学校に来るまでの数年前の物語です。 私に息子はいないので泣きませんでした。実際、百発百中なのか?聞いてみたい気がします。 ある時‥‥雪の上に足跡を残して神さまがきた。 そして森の動物をたくさん殺している狩人に会った。 「お前の家は?」と神さまは言った。 「あそこです」と狩人は答えた。 「ではそこへ行こう」裁きを行うために。 神さまか家に行くと、家の中にみどり子が眠っていた。 それで神さまは裁くのをやめて、きた道を帰っていった。 冬ごとに ぼくは雪の上に神さまの足跡をさがした。 ーーたいせつなものが この世にはあるのですーー 子どもは、特に男の子は家庭の親父のダメなところは何もかもがわかって、それでも親父を守ってきたけど、その気持ちは父親には伝わらない。 ー親父からは、ぼくが裁きをなす神さまに見えていたというのか? ギムナジウムに来るまでの1年間、オスカーと父親はどんな旅をしたのだろう。とふと思ってこの作品を書いたと、30年ほど前に萩尾望都のインタビューを読んだことがある。それどころか、B5版のコミック発売ではなく、100pだけの上製単行本の漫画が初めて発売されるという冒険を行ったのがこの本だった。そしてそういう漫画を私が初めて買ったのがこの本だった。コミックスさえ、古本でしか買わない私にとっては大事件だった。それでも、「トーマの心臓」と同じで、結局私は力作だとは思ったけれども、泣きはしなかったし、オスカー目線でしか読めなかったこともあり、そんなに名作とも思わなかった。 あれから30年。改めて読むと、父親目線で読むと、よくもまぁ親子心中をしなかったな、とか、どうやって旅の金を工面したのだろうか?とか、第二次世界大戦の影があちこちにまだ残ってるんだな、とか、南米に行って、息子に手紙を書く約束をしたことで、おそらく彼グスタフは人生が救われているな、とか、いろいろ思った。今更ながら、これは裏『トーマの心臓』なのだとも思った。 まぁ閣僚に読ませてもムダだとは思うけどね。

Posted by ブクログ

2022/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いろんな切り口の「訪問者」 自分がそこにいてもいいと思えることがどんなに重要で、切実な願いか。周りの人に愛してもらえることは勿論、「エッグ・スタンド」は政治的な存在自体の断罪まで言及される。 「愛も戦争も同じ」と語るラウル、生きている実感を伴うものがそのふたつだとしたら、愛そのものも恐ろしい。。「許している」ように見える彼らだって、所詮性的搾取者という地獄側面を持っており、まさに「すべてがきわどいところにある」。人間が人間を裁くことの限界を感じるけど、不条理でも誰かの許しが誰かの存在に間違いなくつながっていて、、涙 萩尾望都を読んでから「許し」についてよく考える。人間の持てる感情で一番すごいのは許しかもしれない

Posted by ブクログ

2022/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

寄宿舎〜悲しみの天使〜を観てトーマの心臓の印象が変わったので、改めて訪問者も読み返し。 オスカーにとってのユリスモールの存在に対する解釈が自分の中で明確になった気がする。 ブレーメンの音楽隊の像が描いてあるコマがあるのに初めて気づいた。

Posted by ブクログ

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