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美味しんぼ(文庫版)(12) 小学館文庫
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美味しんぼ(文庫版)(12) 小学館文庫

花咲アキラ(著者)

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美味しんぼ(文庫版)(12) 小学館文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2001/01/16
JAN 9784091925121

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2023/06/12

1週間前の「本屋で待つ」の本屋「ウィー東城店」で購入した「エイと鮫」編を含む「美味しんぼ」本を久しぶりに読んだ。111巻まで続いた本作は、改めて漫画家花咲アキラではなく、原作者・雁屋哲の作品なのだと思う。 ハッキリ言って、ストーリーはファンタジーの世界である。こんなおめでたい、...

1週間前の「本屋で待つ」の本屋「ウィー東城店」で購入した「エイと鮫」編を含む「美味しんぼ」本を久しぶりに読んだ。111巻まで続いた本作は、改めて漫画家花咲アキラではなく、原作者・雁屋哲の作品なのだと思う。 ハッキリ言って、ストーリーはファンタジーの世界である。こんなおめでたい、のんびりした新聞社(東西新聞)は、日本の何処を探してもない。社主・局長・部長・課長などが究極のメニュー作りのために毎日右往左往し、担当者2人(山岡・栗田)は、他に記事を書いている気配が全くない。こんな新聞社ならば、絶対看板雑誌の休刊など決定しなかっただろう。登場人物も、みんな型にハマった人物像であり、美味しい料理を食べて、突然人生の方向を変える様な人たちばかりが出てくる。お涙頂戴形式も多い。 では、そんな空想的なお話がどうしてあの様な長期連載を勝ち取ったのか?それは、1ヶ月か2ヶ月に一回行われたであろう「原作のための取材」が、徹底してリアルに拘ったからである。「エイと鮫」編では全67ページのうち、鮫(ワニ)料理を求めて広島まで行くのではあるが、それはたった12ページしか使われない。隣県の私でさえ、往復5時間かけた旅なのである。東京から行った彼ら(少なくとも4人は必要)は行くだけでどれだけ時間をかけたのか?(もしかしたら、行って帰るのには3日はかかる気がする)雁屋哲は、現地で飯を食べるということに徹底的にこだわる。それが最終編「福島の真実」編で、山岡鼻血事件をもたらし、炎上騒動までに発展したのだろう。鮫(ワニ)料理をプロデュースする小林さん(現在もお元気らしい)が実名と似顔絵の顔出しで発言し、雁屋哲が実際に料理を食べることが重要だったのだろう。 鮫の肉は、広島の山奥が産地ではない。山陰や四国の海から持ち込んだものだ。漁港では鮫は食べない。アンモニア臭のクセがあるからだ。けれども日持ちがするから、奥備後と呼ばれる中国地方の山岳地域で食べられてきた。「わに料理は伝統的な食文化」なので、美味しく食べるには、此処にくるしかないのだ。私は昨年、奥備後のひとつ三次で、ワニプリンを手に入れて食べたけど、コリコリした無味無臭の食感しか記憶にない。しかしメインは鮫の刺身(臭みは抜いている)だという。または湯吹き、南蛮漬け、フライ、茶漬けにして食べて美味しいという。1週間前、私はウィー東城店に教えられて町内のスーパー(フレスタ)にサメがあると教えられて行ってみた。残念ながら見つけることができなかったけど、県南のスーパーとは、品揃えが全然違っていた(魚に詳しくないので説明できないのがもどかしい)のにびっくりした。この辺りは、全然違う食文化があることはわかった。 ちなみに、エイについては韓国・光州で食べた。居酒屋の料理ではあるが、臭みをそのまま残す調理方法(その点では日本と考え方が180度違う)で、一緒に行った友人たちはそのアンモニア臭に僻遠して一切食べなかった。私は「食べ残しはしない」という信条があるので我慢して食べたが、美味しくはなかったけど、食べ慣れたらもしかしたらマッコリと合わせながら飲めばクセが癖になる味かもとも思った。 「猫とマーマレード」編において、輸入柑橘類はOPPやEOBなどの発がん性物質を使っていながら米国内では禁止していたことを暴露している(1988年ごろ)。「日本政府はアメリカの圧力に屈してアメリカからの柑橘類の輸入を増やすそうです」「‥‥ありがたくて涙が出るわ」「政府当局、それに厚生省は、この問題について、国民にちゃんとした説明をするべきなんだ!」と山岡に言わせている。下手をすると、日本のほとんどのマーマレードや柑橘類を扱う会社を敵に回す描写である。漫画という下賎な書き物だから、当時は問題にもならなかったのだろうけど、こういう何者にも忖度しないスタンスがこの長期連載を支えていたんだと、今読んでいて思う。

Posted by ブクログ

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